人気ラーメン店を並ばずに… 飲食店に「ファストパス」【WBS】
今、行列に並ばず入店できる飲食店版の「ファストパス」と呼ばれる新たなサービスが注目されています。
はとバスが新ツアー開始
3連休の初日、東京都心では日中の最高気温4度とこの冬最も低い気温になりました。こうした中、東京駅にある「はとバスの乗り場」には人だかりが出来ていました。 はとバスは23日から新たなツアーを開始しました。バスが向かったのは2月1日にオープンした「豊洲 千客万来」。同施設は江戸の町並みを再現し、およそ50の飲食店などが並ぶ東京の新たな観光スポットです。ツアーは千客万来を巡るもので初日の23日は満席になりました。 中に入り、最初に一行が案内されたのは、海鮮バイキングのレストランです。本マグロの中トロなど海の幸を中心におよそ50種類が食べ放題です。マグロの解体ショーも行われました。 食事を満喫した客は「中トロの切り方が厚くてうれしい」「カニをすごい食べました」と話します。 食事の後は自由行動。ショッピングや日本酒の角打ちなども楽しめます。はとバスが企画した「豊洲 千客万来」ツアーはこの後、東京タワーに立ち寄り大人1万800円、子ども5210円です。
行列回避の新サービス
こうした人気の観光地で避けられないのが行列です。千客万来でもあちこちに行列ができていました。日本の“大行列”を見た訪日外国人からは「時間はかかる。でも待つことは日本の文化のひとつだからそこも良いよね」(ニュージーランドから来た人)、「行列を避けるようにする。他にもいい店があるし、行列ができていたら別の空いている店に行く」(アメリカから来た人)と声が上がります。 東京・銀座の人気ラーメン店「銀座 八五」では開店1時間前で既に30人以上が並んでいました。 「7時45分から約2時間半並んでいる。食べるのが楽しみ」(オーストラリアから来た人) 客のお目当ては、フランス料理出身のシェフが手がける中華そば。トリュフやフォアグラを使用した特製ラーメンで値段は2200円。1日30食限定の看板商品です。ミシュランで一つ星を獲得していて、世界的なアーティストであるジャスティン・ビーバーさんも足を運ぶほどの人気店です。 しかし、午後になると状況が一変。行列はなくなり、客は到着後すぐに入店していきます。その理由は「テーブルチェックで予約した。予約手数料が500円だった」(カナダから来た人)。 実はこの店、午後の時間帯のみ料金を支払うことで、優先して入店できる飲食店版ファストパスというシステムを導入しました。そのサービスを2月から始めたのは、飲食店の予約システムなどを提供するスタートアップ「テーブルチェック」です。 予約手順は簡単です。サイトから店を選び、入店希望時間と連絡先、クレジットカード情報を入力して完了。日本語や英語だけでなく、18カ国語に対応していて、「銀座 八五」でもファストパス購入客の5割以上が外国人です。 「数時間待つ分、観光に費やしたい。4時間並ぶのはクレイジーだね」(アメリカから来た人) ファストパスの料金は、店側が設定可能で、こちらの店では500円に設定しています。 「高級なフレンチや2万~3万円の料理を出す店ならもっと料金を取れるかもしれないが、ラーメン店としては妥当。売り上げは1~2割ほど上がる感じ」(「銀座 八五」の松村康史店主) こちらのサービスは、現在は都内のラーメン店6店舗で利用できますが、今後は行列のできるスイーツ店や、うどん店、とんかつ店にも広げていくということです。 「今までなら予約を取ってなかった店がターゲットになる。既にかなり問い合わせや引き合いもいただいている。年内300店舗を目指す」 ※ワールドビジネスサテライト