東洋大姫路エース踏ん張れず 藤田監督の高校野球人生に幕 センバツ
第94回選抜高校野球大会は第3日の21日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、14年ぶり8回目出場の東洋大姫路(兵庫)は昨秋の四国大会優勝の高知に2―4で敗れた。エースの森健人(3年)が勝負どころで踏ん張れず、最後の甲子園となる藤田明彦監督(65)に勝利をプレゼントできなかった。 【天候に恵まれ】高知 vs 東洋大姫路 ボール1~2個分。ほんのわずかな高さが致命傷となる。東洋大姫路のエース・森は勝負どころで生命線となる内角球をはじき返され「球が浮いた」と悔やんだ。センバツを最後に勇退する藤田監督にウイニングボールを手渡すことはできなかった。 身長170センチと大柄ではないが「コースの投げ分けは体が覚えている」と言うほど内角攻めには自信がある。しかし、高低をつけるには不安があった。1点を失った直後の五回2死二、三塁。3番・高橋友への5球目、直球は狂いなく内角へ。しかしベルト付近を狙った球は上ずった。詰まらせることに成功したが右翼前にポトリと落ち、2者が生還。「3点を一気に取られ(チームが)しゅんとなった」。得点力が課題のチームに3点は重くのしかかった。 OBで、通算20年間チームを率いてきた藤田監督が2021年11月に翌春限りでの退任を表明。「一試合でも長く監督と野球がしたい」がチームの合言葉だったが、11年夏以来となる甲子園での白星は遠かった。 1977年に頂点に立った夏を含め、今回が20回目の甲子園だったが「春夏連続出場は1回しかない。今年は大きなチャンス。夏出てもらって今度はアルプスで応援したい」と藤田監督。14年ぶりのセンバツ出場で伝統校復活の道筋をつけ、次は「強豪校」の座を取り戻す姿を教え子たちに託した。【藤田健志】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。