斎藤元彦氏、文書問題「関心低い」vs稲村和美氏「マネジメントに問題」 知事選後の動画番組でも違いクッキリ
斎藤氏「政策を評価する職員や議員がおり、うまくやれる」
関係が悪化したとされる県職員や議会と今後どう付き合っていくのか聞かれ、斎藤氏は、エピソードを交えながら、自らの考えを話した。 年末年始の予算協議で職員の待機が1か月も続くのを見かね、待機を数日に減らしたところ、駅の街頭活動で、若い職員から「斎藤さんになって残業がすごく減りました」と声をかけられたという。働き方改革などについては、職員とマインドが同じなため、「ありがとう」などと声を出すよう改めれば、やっていけるのではないかとした。 また、議会についても、全会一致で不信任になった後、政策に共鳴して応援してくれた議員もいたとした。そのため、民意を得た今では、政策中心に議論すれば理解も得られるのではないかと述べた。議会では、会派の党議拘束があったため、全会一致になったが、実際は、民意とねじれがあり、表立って応援できないがメールを送ってくれた議員もいたという。 選挙戦では、県内の22市長が対立候補だった稲村氏への支援を表明し、相生市の谷口芳紀市長は、机をバンバン叩いて斎藤氏を批判していたが、斎藤氏は、「ちょっとびっくりしました」としながらも、「すごくいい人」と非難しなかった。稲村氏に対しては、「以前から存じあげていて、非常に実績もある方ですので、すごく尊敬しています。選挙後は、ノーサイドで行きたいと思っています」と話した。 選挙戦のフィナーレで、数千人が集まったとき、「自分を超えた何が動いた」と感じ、鳥肌が立ったという。とはいえ、パワハラ疑惑などが指摘されたのは事実で、「自分は、色々と学びましたので、謙虚に気を引き締めてやらないといけないと思っています」と抱負を語った。
稲村氏「市民派なのに、従来型政治の代表者と思われた」
一方、稲村氏は、11月19日に選挙関係者の家からビデオ出演した。少し疲れた様子だったが、笑顔も見せた。 選挙戦について、稲村氏は、街中では応援する人が目についたが、ネット上では、違う言説が飛び交い、その温度差を感じるところがあったと明かした。最後に逆転された敗因について聞かれると、自らは市民派として活動してきたが、既得権や従来型政治の代表者と見られる感じが強かったと振り返った。従来型政治を変えていこうという立ち位置にいたが、力不足でそこが十分伝えられなかったのが敗因だという。ただ、SNSの影響力が指摘され、組織とは別のツールが示されたとして、新しい選挙戦の形が見えたとの見方を示した。 既得権側と見られてしまった理由については、尼崎市長時代と違って、つながりのないエリアも多く、議員や首長ら政治家が関わる割合が多くなったことを挙げた。阪神・淡路大震災のときのボランティア活動で被災者に向き合わない政治に疑問を持ったのが政治家になったきっかけで、自らを「市民自治派」と称して兵庫県議時代には前の県政に対し財政問題で批判的に発言していたという。しかし、今回の選挙戦では、議員イコール従来型政治の代表者と思われてしまったと述べた。 政策については、文書問題への対応のあり方や行政組織のガバナンスについて、斎藤氏のマネジメントに問題点を感じて立候補したと説明した。知事に進言するのは難しい雰囲気があり、文書問題でも、もっと積極的に第三者委員会をやるなど対応の仕方があったのではと問題提起した。県政が停滞していると感じたため、改めるところは改めるべきだと今回チャレンジしたと明かした。