愛知・僧侶漫才コンビ人気 笑いの要素取り入れた説法も
愛知県の僧侶2人が漫才コンビを結成し、笑いの要素を取り入れた説法を披露すると「説法なのに聞きやすい」「親近感があって面白い」などと好評を集め話題となっている。「説法についてもっと多くの人に興味を持ってもらうため」というきっかけで始めた漫才が、参拝客から好評を得て、今では「ウチに来て~」とオファーも来るようになったという。17日に名古屋市・東別院にて彼らにとって5回目となる漫才が披露され、会場は多くの参拝客でいっぱいに。そのおもしろさの秘密をさぐってみた。
説法の前座で「場を温めたい」
2人のコンビ名は「えしんりょう」。名古屋市の随縁寺副住職、土井恵信さんと、一宮市の養蓮寺副住職、中村亮さんの名前を合わせたコンビ名だ。 そもそも漫才を始めたきっかけを土井さんに聞くと「説法についてもっと多くの人に興味を持ってもらうために、説法の前座で場を温めることはできないかと考えた」と教えてくれた。 そこで行き着いたのが「漫才」。もともとお笑い好きであった中村さんに一緒に漫才で説法を伝えていこうと声をかけたのがきっかけだ。そして漫才を披露すると、参拝客からは「今までは説法を聞いても眠たくなっていたが、全く眠たくならなかった」と反響があり、寺に来て漫才をやってもらいたいと知り合いからもオファーが来るようになったという。
“分かりやすい説法”と好評に
この日に披露された漫才は、お坊さんの格好や日常、宗派など。説法を面白おかしく語り、笑いの要素を入れながら事実を分かりやすく伝えていた。 ネタは簡単な言葉を遣い、誰もが理解しやすい仏教の基礎の話を中心に構成されており、一休さんといった日本の昔話も盛り込まれていた。 客席は笑い声であふれており、子どもたちが興味津々で漫才に聞き入っている様子も見られた。漫才終了後に、会場に来ていた70代と90代の女性に感想を聞くと「新聞で彼らが取り上げられているのを見て来た。普段からよく説法を聞いているが、私たちでも内容が難しく感じられることも。今日、漫才の説法を初めて見ましたが、話しの内容が分かりやすくて良いですね。寺がにぎわって活気づいているように感じました」と話した。