『となりのMr.パーフェクト』チョン・ヘインが恋に破れる “思い出の海”で爆発した感情
料理学校に通うソンニュは、ヒョンジュンからアメリカの料理学校の資料と置いていった婚約指輪を渡され、2度目のプロポーズをされる。ソンニュは、スンヒョの帰りを待ち伏せし、幼い頃に登ったジャングルジムで、ヒョンジュンからプロポーズされたことを打ち明ける。この場面でのチョン・ヘインの自然体で、繊細な感情演技に引き込まれる。ソンニュから、「プロポーズをされた」と言われ、胸に渦巻く感情と脳内を駆け巡る思いを表情に溢れさせる。「もう手遅れだろ」と怒りを抑えながらイラ立った眼差しを見せるも、「間に合うなら?」と言われた刹那、瞬時に泣きそうな眼差しに変化する。そして、恐る恐る横に並ぶソンニュの顔を見つめる。ソンニュがヒョンジュンとの話をする間、泣きそうな濡れた子犬のようなウルウルした瞳で、だんだんとうつむいていく姿が切ない。「俺がいるのに?」「俺が告白したのに?」と問うスンヒョに、ソンニュの残酷な答えが返るたびに、チョン・ヘインは声色と眼差し、吐き出したため息を使って、スンヒョの胸にぐさぐさとナイフが刺さるのが見えるような繊細な感情演技を繰り出していく。 恋愛対象として見てもらおうとするスンヒョに対し、ソンニュは自分の感情を隠してスンヒョを突き放す言葉を告げていく。「お前は残酷だな、どうして何も言えなくするんだ」と悔しさと悲しみと情けなさと苦しさがないまぜになった感情を必死で抑えようとするも、泣きそうなチョン・ヘインの演技は、まさに真骨頂と言える。チョン・ヘインの演技は静かで自然体で、演じる役と本人が重なって見えた。 スンヒョとソンニュの言い争いをソンニュの母ミスク(パク・ジヨン)が偶然聞いたことによって、ソンニュの胃がんが家族や周囲の人の知るところとなり、家族たちの感情の嵐が吹き荒れる。家族を悲しませたくないソンニュと、打ち明けてほしかった家族や周囲の人々の葛藤が苦しい。スンヒョもまた、3年前にアメリカに行きながらも、ソンニュが苦しんでいたサインに気づかず彼女を独りにしたことを悔やんだ。ソンニュは、自分のことで苦しむ家族の姿を見て、姿を消してしまう。スンヒョは、姿を消したソンニュを必死で探し、昔一緒に家出した海で彼女を見つける(回想シーンが『無人島のディーバ』のようでニヤリとさせられる)。 スンヒョとソンニュの絆が一層強まっていく中で、サブカップルのモウムとダノ(ユン・ジオン)のほのぼのとしたかわいい恋も進展していき、モウムがダノにキスをするというときめく展開となった。3人の幼なじみたちは、これからどうなっていくのだろうか。
にこ