「人々はスーパーボウルの広告を見たから買うのではない。魅力的だから買うのだ」: アリゾナビバレッジ CEOアビード・リズビー氏が語る、飲料業界の最新事情
アリゾナアイスティー(AriZona Iced Tea)は米国のどこにでもある商品だが、人々は派手な広告キャンペーンでこの商品のことを知ったわけではない。 「広告板を使ったことはない」と、アリゾナビバレッジカンパニー(AriZona Beverage Company)のCEOを務めるアビード・リズビー氏は語る。「これはほぼ確信できるが、タイムズスクエアにアリゾナの広告板が出ることは決してないだろう」。 その代わりに、アリゾナが自らをマーケティングする方法は、単に店舗で存在感を示すというものだった。同社は商品を、見た目はよいか、味はよいか、妥当な価格かという3つの観点で評価する。リズビー氏によれば、アリゾナを成功に導いたのは、これら3つの基本的な原則だ。 リズビー氏は米モダンリテールのポッドキャストに参加し、ブランドの歴史と、将来に向けた展望について語った。 アリゾナは1992年に、共同創設者ドン・ブルタッジョ氏の流通事業の副業として開始された。ブルタッジョ氏はアイスティーを調合し、流通コネクションを通じて、いくつかの店舗の陳列棚においてもらった。そこから事態は急展開した。アリゾナはスナップル(Snapple)のような業者の主要な競合他社のひとつになった。ある試算では、アイスティービジネスだけで年間20億ドル(約2960億円)の収益を生み出していると推定された。 しかし、アリゾナの商品はアイスティーだけではない。同社はフルーツスナックや、最近ではハードアイスティーなどほかの分野にも展開している。2016年にCEOとなったリズビー氏はこのような目標とともに、国際的な展開をめざしている。 しかし、新商品の発売や別のカテゴリーへの展開を行うときでも、基本理念は同じだった。「たしかなことは、全世界のどこでも、人々は美味しい飲み物を好むということだ」。 このように商品そのものに注力してきたため、アリゾナはこれまで高価なマーケティング方法を避けてきた。その代わりに、美味しくて独自性のある商品を作り出すこと、そして店頭で人々の注目を集めるような独自のブランディングを行うことをもっとも重要な目標にしてきた。 「人々はスーパーボウルの広告を見たから特定のブランドを買うわけではない」と、リズビー氏は話す。 対談のいくつかの要点を以下に紹介する。明瞭化のため多少の編集を加えた。 Subscribe: Apple Podcasts | Google Play | Spotify