安田虎汰郎が早大1年生投手で史上初の春開幕カード2勝 主将からの「どうした安田」で吹っ切れた
◆東京六大学野球春季リーグ戦第1週第3日▽早大7―1立大(15日・神宮) 早大が立大に勝利し、2勝1敗として勝ち点1をマークした。8回から救援した1年生右腕・安田虎汰郎が1イニングを無失点に抑えると、その裏に打線が6得点。安田は13日の1回戦に続く2勝目を挙げた。早大の1年生投手が春に2勝以上するのは、3勝した15年小島和哉(現ロッテ)以来9人目で、開幕カードでの2勝は初。 神懸かりだ。開幕カードで1年生ながら、ともに救援で2勝を挙げた安田は「打てるもんなら打ってみろという気持ちで投げました」と初々しく語った。 初戦のVTRのような展開だった。同じ1―1の8回、中1日で7回1失点と好投した先発・伊藤樹からバトンを渡された。先頭を四球で歩かせ、犠打で二塁へ送られるのも一緒。続く田中祥都に中前安打を浴び、1死一、三塁とされると、主将の正捕手・印出太一から笑顔で言われた。「どうした安田。これも勉強やから、楽しんで投げろ」。吹っ切れた。1回戦同様、魔球チェンジアップで後続を料理した。 「樹さんが先発であれだけ踏ん張って、エースらしいピッチングを見せてくれて。自分の仕事の中で勝ちをつけていただきました」 小宮山悟監督(58)は日大三のエースとして甲子園を沸かせた右腕に「修羅場をくぐっているだけあって、見事な投球。西東京を勝ち抜くなんてそんな簡単にいかない。甲子園に行って、そこでも抑えてと考えると、そのへんのヤツらと一緒にされちゃ困る」と称賛。「早慶戦で1年生とは思えない投球を披露してもらえるよう、育てたい」と期待を込めた。「任されたマウンドで、自分の仕事をできるように」と安田。地に足をつけ、次戦へ牙を研ぐ。(加藤 弘士) 記録メモ ▼1年生春に2勝 早大1年の安田虎汰郎が、1回戦に続き2勝目(ともにリリーフ)。1年春に2勝以上した早大投手は、最多5勝の91年織田淳哉(日向)、4勝の29年小川正太郎(和歌山中)、07年斎藤佑樹(早実)、12年吉永健太朗(日大三)らを始め、15年に3勝した小島和哉(浦和学院)以来、9人目。開幕カードで2勝は初。織田、小川、斎藤(開幕投手)、吉永はいずれも開幕カードで先発勝利。2度目の登板はなかった。
報知新聞社