マツダ CX-80公道初試乗!例の“足硬”問題はどうなったのか?(小沢コージ)
【小沢コージ クルマは乗らなきゃ語れない】 マツダ CX-80 (車両価格:¥3,943,500/税込み~) 【写真】新型マツダCX-80が予想外にお手軽かつカッコ良すぎるお話 ◇ ◇ ◇ 待望のマツダ新ラージSUV、新型CX-80に遂に公道で乗ることができた。一昨年発売の5人乗り2列シートSUVであるCX-60のストレッチ版であり、6~7人乗り3列シート版でもある。全長ほぼ5mとデカいが、ミニバン代わりにもなる便利な多人数用ファミリーカーだ。 CX-60に比べて全長やホイールベースが25cm伸び、そのサイズ感や大まかなスペックは既にリポートした通りだが、最大の注目は例の“足硬”問題だろう。 クルマ好きなら知っているはずだが、CX-60は発売直後から特有の足の硬さがユーザーやプレスから指摘され、色々な議論が巻き起こっていた。
マツダは今回、情報伝達性を大事にしたのだ
かく言う筆者も一昨年乗ったが、最初にテストコースの良路面で乗った時は気づかなかった。しかし一般道、特に路面に鉄製の継ぎ目がある場所では一定の硬さを感じた……ここが難しいところだが、マツダはこの硬さをあえて許容した部分がある。 一般的に高級車ほど足は柔らかめになり、振動を伝えなくなるが、最近のマツダ車は違う。不快な音や振動はなるべく抑えるが、特に長距離運転する場合、人間はある程度路面からのフィードバックを必要とすると考える。 運転とは教習所で習ったはずだが、認知→判断→操作の順にステアリングやアクセル操作を行う。そのためには適度で良質なインフォメーションが必要であり、今回マツダは、情報伝達性を大事にした。ある種のステアリングのダイレクト感や感触を大事にし、路面の情報をある程度伝えるセッティングを選んだのだ。 しかしその設定が攻めすぎていたのだろう。特に路面からの大きな入力、つまり凸凹路面で指摘される硬さになっていた。
CX-60で感じたしっかり感は残されている
果たして、新型CX-80ではその“足硬”ぶりがどうなったか? だが安心して欲しい。筆者が乗った限り、気になる部分はすっかり削ぎ落とされていた。ぶっちゃけ、確実にソフトになっていたのだ。 ただし、ここから説明が少々難しくなるが、新型CX-80はCX-60とは正反対の柔らかさを手にしたわけではない。かつての昭和時代のトヨタ クラウンや日産セドリックのようなフニャフニャな足周りになったわけじゃない。ある意味、CX-60で感じたしっかり感は残されており、ガチっと突き上げる硬さのみ削られていたのだ。 同時にリアのアンチロールバーも省かれ、ある程度はコーナリング中のボディのロール(傾き)が許容される走りにもなっていた。