ネタニヤフ首相宅に無人機攻撃、負傷者なし-ヒズボラが激しい攻撃
(ブルームバーグ): イスラエル・テルアビブ北部にあるネタニヤフ首相の週末用の自宅が19日、レバノンから発射された無人機に攻撃された。レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラはイスラエルに対しロケット弾や無人機による激しい攻撃に出ている。
イスラエル首相府が同日発表した声明によると、無人機攻撃時にネタニヤフ夫妻は不在で、負傷者も出なかった。今回の攻撃について同首相は暗殺未遂であり、「重大な過ち」だと非難した。
2日前にはイスラエルが、昨年10月7日の奇襲攻撃を首謀したとされるイスラム組織ハマス指導者ヤヒヤ・シンワル氏を殺害したと発表。イスラエルはハマスとヒズボラの両方と紛争を展開している。
イスラエル軍、ハマス指導者シンワル氏を殺害-戦い継続と首相 (1)
イランは19日の攻撃への関与を明確に否定した。国連代表部はヒズボラの責任だと表明。イラン外務省は、同国が関与したとの指摘があるとすれば、それは「うそ」や「虚偽の流布」だと主張した。
イランは今月、イスラエルに対して約200発の弾道ミサイルを発射しており、同国の報復に身構えている。
イスラエル軍によると、19日に同国のカイザリア周辺に向けて無人機3機が発射され、うち2機は迎撃されたが、3機目が建造物に衝突した。死傷者はいなかった。これら無人機は、レバノンから沿岸都市ハイファを含むガリラヤ中部・北部に向けて発射された約180発の飛翔(ひしょう)体の一部だったという。少なくとも1人が死亡し、複数の負傷者が出た。
ネタニヤフ首相の自宅に対する今回の攻撃について、どの組織からも犯行声明は出ていないが、ヒズボラは声明を発表し、イスラエル北部にある都市アッコとハイファの間の湾岸地域に対し「大規模なロケット攻撃」を開始したと表明した。
この日の攻撃を受け、イスラエルの複数のメディアは、ネタニヤフ首相が「われわれはイランの他のテロリスト代理勢力との戦いを継続していく。この戦争に勝利する」と強調する動画を配信した。