“沼男”横浜流星にハマる南沙良、約束のない曖昧な関係に…『わかっていても the shapes of love』4・5話
横浜流星主演の話題ドラマ『わかっていても the shapes of love』(ABEMA)の4、5話が12月16日21時から配信となった。1~3話で紡がれたのは、実力派アーティスト・漣(横浜流星)と美大助手・美羽(南沙良)の出会いと、恋の始まり。過去の恋愛から恋に臆病な美羽が、危うい魅力を持つ漣に傷つくとわかっていても惹かれていく様が描かれた。 【写真】危うい魅力を持つ漣を演じる横浜流星 「付き合うとかそういう約束に意味ある?」 誰とも深い関係を持とうとしない漣を、そのまま受け入れようと決意した美羽。しかし、3話の終わりでは謎の女性・千輝(鳴海唯)が漣と親しげな様子で彼の家から出てくるところを目撃してしまう。さらに、美羽の周囲では光莉(福地桃子)と颯(浅野竣哉)、咲(朝倉あき)と愛実(夏子)たちの心も動き出していて……。 ・#4 大切にしたいとわかっていても 4話でスポットライトが当たるのは、漣と同じくどこか掴みどころのない光莉。これまで誰とも深い仲になることを望まなかったのは「お別れが苦手」だったからだと語る。ボロボロになっても捨てることができないお気に入りのブーツ。深く愛するほどに別れが辛くなる。一見すると軽そうだが、実は誰よりも愛が重いのかもしれない。そんな自分を守るように、誰に対しても本気にならないようにあえてしてきたように思えた。 しかし、そんな光莉の心を開けようとしていた颯。ストレートに告白された光莉は戸惑い、過去に関係を持っていた男性と再会したときにも「めっちゃまっすぐに『好き』って言ってくるやつがいて困ってる」とボヤく。だが、その顔には明らかに喜びが浮かんでいた。忘れていた「好き」という感情を思い出しつつある幸せ。でも、だからこそお別れが怖くて一歩踏み出せない。そんな光莉が鎌倉バンクシーの作品である発見をする。 「鎌倉バンクシー」とは、謎のストリートアートを残す素性のわからないアーティストだ。そんな見知らぬアーティストの作品に、光莉が捨てられずにいたあのブーツを履いた女性が描かれている。そのエピソードを知っていて、しかも律儀に描くほど愛情深い人など颯しか考えられなかった。 そして、問い詰められた颯もあっさりとそれを認める。鎌倉バンクシーとして作品を残し始めた理由は、漣への憧れと存在表明。「特別ではないとわかっていても」とひたすら仏像を彫り続けてきた颯にもドロドロとした思いがあったのだと知った光莉は、むしろ安心した様子で彼に飛び込むことができたようだった。 影の部分でしか繋がれない人たちもいる。それは、漣と「幼馴染」の千輝もそう。時を同じくして、美羽も漣に、鎌倉バンクシーとしてあの絵を描いたことを問い詰めていた。理由は、あのブーツを履いた女性の背中には美しい蝶の羽が描かれていたから。 無許可のストリートアートは犯罪行為だ。その颯を諌めるどころか描き足して完成度を上げていった漣。そんなことをしなくても漣は十分に特別だ。美羽にはなぜ漣のことがますますわからなくなる。「本当の姿が見える作品が見たい」そうまっすぐに伝える美羽は、千輝にとって眩しすぎたに違いない。「そんな狭い視野で私たちの世界を語ってほしくない」と美術を語りながらも、千輝は漣との間にこれ以上踏み込んで来ないでと拒絶するのだった。 ・#5 そばにいたいとわかっていても 漣がどんなに千輝のことを「幼馴染」「そういうんじゃない」とは言っても、「付き合うとかそういう約束に意味ある?」なんて言うものだから、美羽は信じたくても信じきれない。そこに輪をかけて千輝の「私たちの世界」発言。実際に、千輝は美羽の知らない漣を見つめてきた。その事実がさらに美羽の心を寒々しくさせる。 そんな彼女に温かな鍋焼きうどんを作ったのが、密かに想いを寄せていた琉希(佐野玲於)だった。冷えた心に琉希の優しさがじんわりしみる。このまま、そのぬくもりに甘えてしまいたい気持ちが溢れそうになっていた。 実際に、彼らはお似合いだった。琉希は、箸袋を折り紙のようにして鳥の箸置きを作る美羽の可愛らしさを見逃さない。美羽がたとえ他の人に恋をしているときでさえ、その幸せを喜ぶことができる。しかし、相手が漣となれば話は別だ。 ずっと美羽を見つめてきたからこそ、彼女が今心を乱されていることがわかる。自分ならそばでその笑顔を守ることができる。「見ているだけはもうやめよう」と一歩踏み出すことにした琉希。大胆にも漣に美羽を「幸せにする」宣言をしてみせる。 きっと琉希なら、美羽の言う「普通に付き合う」という概念も共有することができるだろう。一つひとつちゃんと言葉にしてくれる琉希なら、漣のように不安にさせられることもないはずだ。そして、お互いの夢を応援しながら、穏やかな日々を送ることができるに違いない。 しかし、琉希なら自分をちゃんと幸せにしてくれるとわかっていても、漣に対する気持ちを消すことができないのが恋の難しいところ。どんなに意識をして距離を取ろうとしても、漣にじっと見つめられるとすぐさま心が引き戻されてしまう。その傍らに千輝がピッタリと離れずにいても、だ。 「ずっと好きだったんだ」と言ってくれる琉希の言葉に、どう返事をしようかと迷っているまさにそのとき、千輝が倒れてしまう音がした。どんなときも余裕の表情を浮かべていた漣の慌てた表情に、どうしようもなく「私たちの世界」を見せつけられる。 なぜ千輝に対して漣がただの幼馴染というには、あまりにも献身的に尽くしていた違和感が、ここに隠れていそうだ。千輝にとって漣がどんな存在なのか。むしろ恋以上の何かが彼らの間にはあるのだろうという予感が、美羽の心をさらにかき乱す。
佐藤結衣