深キョン以来? 40代ラブコメヒロインのニューホープ・松本若菜(40)の俳優人生〈悪女役では衝撃のアドリブ続出〉
「西園寺さんは家事をしない」(TBS)にて、一躍ブレイクを果たした松本若菜さん。10月17日放送開始のドラマ「わたしの宝物」(フジテレビ)でも主演を務める松本若菜さんのキャリアと魅力とは。(前後編の前編/後編を読む) 【画像】好感度バツグンの笑顔! 松本若菜さん(40)の写真を見る 40代でラブコメの主役を張れるのは、深キョンだけ! そう思っていました。 TBSの火10ドラマ枠をみれば一目瞭然。年齢でみれば過去に同枠では松たか子や小泉今日子も主演しているものの、作品のテイストはどれも王道のラブコメではありません。ラブコメを主な原動力とする同枠で、真っ当なラブコメを成立させ、おかわりの最多主演を誇るのは深田恭子です。まさに一強でした。その独壇場にすっと入ってきたニューホープが、松本若菜なのです。
「朝ドラヒロインやってました?」
プライムタイム初主演作「西園寺さんは家事をしない」では、人一倍仕事はできるが家事はいっさいしない主人公・西園寺一妃を好演。その自然な演技に驚愕しました。 あれ? 朝ドラヒロイン経験してましたっけ? 活発で元気よく動き回り、ドタバタができ、自己主張が強く、自分の回りの世界をがしがしと変えていく力を持つ主人公って、もう朝ドラヒロインなんよ! とはいっても、朝ドラでそれが成立するのはヒロインの少女時代も描かれているから。そこから人はどんどん成長していくものですが、西園寺さん、アラフォー設定でそれができるのはもう無敵。朝ドラヒロイン同様、応援したくなる主人公でした。 もちろん原作が漫画ということもあり、リアルというより、漫画から出てきたようなキャラクターの役ではありました。しかし、キャラの強さだけで乗り切っているわけではなく、ちゃんと地に足がついた生活者の側面もうかがえる。実写化に際して役が浮いて見えなかったのは、ひとえに、演じる俳優・松本若菜の演技力のたまものだったと思います。 西園寺はアプリ制作会社「レスQ」のプロダクトマネージャーとしてバリバリ働く独身女性。仕事ができる上に明るくポジティブでコミュ力高め。面倒見もよく、上司や先輩・後輩・取引先からも信頼が厚いと完璧。誰かにとって目の上のたんこぶになることなくみんなから好かれていて、仕事に対して根性がありそうな部分もなぜか松本若菜が演じると説得力がある。 パワフルで明るくて前向きで、見ていて気持ちがよかったことも視聴意欲をかき立てました。そして大事なことですが、火10ドラマのヒロインとして恋愛をしていても、違和感がまったくなかった。むしろ、もっとこれから松本若菜のラブコメを見たいと思わせてくれました。 俳優は年齢が上がるにつれて恋愛作品の主演から遠のきます。それは世間のステレオタイプなライフステージに合わせて役がつくられるから。40代なら結婚して子どももいるのが当たり前という前提でドラマがつくられすぎているのです。そうなると、40代なら良妻賢母(! )役をあてがわれることが多くなります。 でも、人生にいろんな選択肢がある時代、いろんな年代の人のいろんな恋愛作品が世の中にあってもいい。各年代でそれを演じられる俳優が増えれば、世に出る作品のバリエーションも増えるのではないかという期待が高まります。火10枠は本当にいい俳優を抜擢してくれました!