2017年度東京都予算案 5年ぶりに財政規模縮小「都民の納得」にこだわり
小池百合子東京都知事が8月に就任して約半年。初めて編成した2017年度都予算案が1月末に公表され、22日から始まる都議会で審議されます。予算案は「都民ファースト」を掲げる小池知事の「都民の納得」へのこだわりが反映されています。また従来の予算案と比べて、事業点検を強化し、少子高齢化やインフラ老朽化など将来の社会構造変化への対応を考えたものになっています。 「東京都予算案の概要」から、まず財政規模を中心にみていきます。
「都民の納得」「共感」にこだわった予算 一般会計規模5年ぶりに前年度減
「1つ1つの政策の実行力、これを担保するのが予算という位置付けになります」。 「予算というのは単にお金を付ければいいというものではありません。そこに都民が納得をされるのか、共感が生まれるのか、これによって予算の額を超えてその効果が出ることもございます。そしてまた、現実の成果につながるものとなっているのかどうかということが重要であります。予算を付けたところで終わり、というわけではございません」。(1月25日、予算案公表記者会見より) 小池知事が「都民の納得・共感」にこだわった新年度予算案。その一般会計の予算規模は、5年ぶりに前年度を下回り、6兆9540億円(前年度比マイナス0.8%の570億円減)となっています。そのうち政策的経費である一般歳出も5年ぶりの減額となる5兆642億円(前年度比マイナス0.6%の291億円減)となりました。 最も財政規模の大きかった1992年度は7兆2314億円でしたが、いわゆるバブル景気崩壊による当時の都税収入の落ち込みもあり、1994年度からは6兆円台に減少(当時は鈴木俊一知事)。最も少なかった2004年度は5兆7080億円にまで、縮小しました(当時は石原慎太郎知事)。その後は2006年度から6兆円規模に回復し、リーマンショックなどもありましたが、近年は緩やかに財政規模を拡大。前年度の舛添要一前知事の予算では、1993年度以来、23年ぶりの7兆円超となっていました(グラフ1)。