「水木さん紙芝居」競売に 歴史的作品と都内古物商
東京都中野区の古物商「まんだらけ」は1日、「ゲゲゲの鬼太郎」などの妖怪物で知られる水木しげるさん(2015年死去)が、漫画家になる前に手がけたとする紙芝居「人鯨」の一部を、同日発売のオークション目録に掲載、出品した。 同社は「水木さんの紙芝居は現存しないと思われてきた。怪奇漫画家に変貌を遂げる過程の空白部分を埋める歴史的な作品だ」と評価。水木プロダクションは「真贋が分からないのでコメントできない」としている。 まんだらけなどによると、「人鯨」は紙芝居画家だった水木さんが1956年に「武良茂鉄」名義で描いた全20巻の作品とみられ、作者は水木さんが専属画家として勤めていた「阪神画劇社」の鈴木勝丸さん。鯨の生肉ばかりを食べていた主人公が化け物「人間クジラ」になる。出品されたのは第1巻の扉絵と、第2巻全10枚、第18巻の5枚目の3種類。扉絵には、タイトルの背景に巨大な鯨が描かれている。 まんだらけは、入手元について明らかにできないとしつつ「特別な鑑定チームを編成し、公の資料や社内データを参照して、真贋を調査した」としている。最低入札価格は20万~250万円。