「私が妻を殺害するわけがない」元長野県議の丸山大輔被告が控訴 妻殺害の罪で懲役19年「意外な判決でショック」 防犯カメラなど間接証拠の積み上げで有罪 弁護側「事実誤認で許容できない」
元長野県議の丸山大輔被告(50)が、妻を殺害した罪で長野地方裁判所から言い渡された懲役19年の実刑判決を不服として、12月25日午後に東京高裁に控訴したことが明らかになった。裁判員裁判で下された判決に対し、弁護側は「事実誤認に基づく判決で到底許容できない」とコメント。丸山被告は公判で一貫して無罪を主張していたが、裁判所は12月23日、防犯カメラの映像など間接的な証拠をもとに有罪と認定していた。 【画像】殺害された丸山希美さん 事件翌日、取材に応じる丸山被告 現場は自宅兼酒蔵
「私が希美を殺すわけがない」
丸山被告は2021年9月、長野県塩尻市の自宅兼酒蔵で妻・希美さん(当時47)の首を圧迫して殺害した罪に問われていた。 10月の初公判で被告は「妻を殺害したのは私ではありません」と起訴内容を否認し、無罪を主張していた。 裁判の争点は被告が犯人であるかどうかの「犯人性」だった。直接的な証拠がない中、被告の車が映ったとされる防犯カメラの画像など間接的な証拠をもとに4つのテーマに分けて審理が進められた。
「合理的な疑いは残らない」
12月23日の判決公判で、長野地裁の坂田正史裁判長は「被告人が犯人であるという認定に合理的な疑いは残らない」として事実関係を認定した。 そして「不倫女性と復縁したいという思いを募らせ、被害者の殺害に及んだもので、その行為は冷酷かつ凶悪な犯行として相当厳しい非難に値する。かなり長期の刑を選択するよりほかない」などとして懲役20年の求刑に対し、懲役19年の実刑判決を言い渡した。
間接証拠をもとに…
懲役19年の有罪判決。裁判所はどう具体的に判断したのか。 裁判は、間接的な証拠をもとに4つのテーマに分けて進められてきた。 テーマ1「被告の所在・移動の状況」では、長野市の議員会館と塩尻市の事件現場の間の6カ所の防犯カメラに映っていた不審車両についての判断がポイントとなった。いずれの画像にもナンバーは明瞭に映っていなかったが、特徴から被告人の車だとする検察側の解析結果を「信用できる」とし、「類似する車両が(検察の主張する)移動状況と符合する方向に走行していたことになる。同一車両とは断定できないものの、相当な偶然が重ならなければ生じない事態」で「被告が両地点を往復したというのは純然たる仮説にとどまらない」とした。 テーマ2「動機」については、「不倫相手と復縁交際したいという思いを相当強くしていた被告が、妻の殺害という行為を次第に思案し、場当たり的にそのような考えを思い立ってもおかしくなかった」と認定。 テーマ3「現場の状況と痕跡」では、金庫以外に物色した痕跡が無いことなどから「物取り犯の犯行に見せかけた被害者と相当近い人物の犯行である」とした。 テーマ4「事件前後の被告の言動」では、パソコンの操作状況について「USBメモリーを差しながら原稿ファイルを起動しておらず、(犯行時刻に)議員会館にいたとする意図的な工作であった蓋然性が高い」と判断した。 いずれも検察側の主張をほぼ認めた形となった。
「意外な判決でショック」
判決後、弁護側は「様々な点で疑問が残る判決」として年内に控訴する方針を示していた。丸山被告は弁護団に「意外な判決でショックを受けている」と語ったという。 12月25日午後、被告は判決を不服として控訴したことがわかった。弁護側は「事実誤認に基づく判決で到底許容できない」とコメントした。 今回の控訴により、裁判は東京高等裁判所に舞台を移すことになる。 (長野放送)
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