豊漁に沸く25年のマグロ業界も先行き不安「海は変わってきてるよ」一番マグロを釣った竹内さん
東京卸売市場(豊洲市場)の初競りが5日、行われた。1キロ当たりの最高値が“一番マグロ”と称され、大間産276キロのクロマグロに1キロ75万円、1匹2億700万円の値がついた。 記録が残る1999年以降で2番目の高値になった。年末年始の天候が崩れなかったことで漁獲量も伸びた。昨年に比べると生ホンマグロは95匹、総重量で6トン増え、競り場にはゴロンとしたマグロがところ狭しと並んで大豊漁となった。 ◇ ◇ ◇ 豊漁に沸く25年のマグロ業界だが、単純に喜んでもいられない。一番マグロを釣り上げた竹内さんは「マグロが増えているという肌感はある。ちっこい魚やスルメイカが少なねーんだもんな。海は変わってきてるよ」と深刻そうに話した。 東京湾の遊漁船のある船長は、青モノやマダイ釣りでマグロの幼魚であるメジマグロがかかってしまうという。「1~2キロの小さいヤツ。すごい増えてる。釣ったらリリースしないと罰則も科せられるからかからないポイントを探すしかない」と苦笑する。 今回一番マグロを競り落とした山口社長も「どこの漁師もマグロが増えたっていっている。ただ、黒潮が日本列島に接岸してきてる影響かもしれない。日本から離れた海域にはマグロがいないかもしれない」と話した。さらに「日本はマグロの漁獲枠獲得で後手に回っているでしょ。ちゃんと日本近海のマグロの生態や調査をしないからだと思うよ。石破さん、日本が一番マグロオタクなんだぐらい調べてよ」と石破首相に期待していた。