メローニ伊首相、マスク氏を擁護「内政干渉しているのはソロス氏ら左翼」
【AFP=時事】イタリアの極右ジョルジャ・メローニ首相は9日、米実業家イーロン・マスク氏の政治介入が怒りを招いたことについて、それは同氏が左翼でなかったからであり、イタリア政治は長年にわたり外国人の干渉を受けてきたとの見解を示した。 【写真】米国はグリーンランドを強制的に奪わない メローニ伊首相
第2次世界大戦後のネオ・ファシズムの流れをくむ極右政党「イタリアの同胞」の党首を務めるメローニ氏は、マスク氏は言論の自由を行使しただけだと擁護。政治に干渉しているのは、米投資家で慈善活動家のジョージ・ソロス氏ら左派の有力者だと非難した。
ドナルド・トランプ次期米大統領の政権で「政府効率化省」のトップに就くマスク氏は、ドイツのオラフ・ショルツ首相や英国のキア・スターマー首相をはじめとする欧州の指導者への攻撃を繰り返し、欧州全域で反感を買っている。
だが、メローニ氏は年次記者会見で、マスク氏が自ら所有するX(旧ツイッター)に行った投稿が「危険な干渉」に当たるとの見方を否定。「問題は、富裕層が世界中の政党、政治団体、政治評論家らに資金を提供し、国民国家の政治的選択に影響を与えることだ」「マスク氏はそんなことはしていない」と主張。
「イーロン・マスク氏は自国で、自らが支持する候補者の選挙運動に資金を提供したが、それは米国の制度においてごく一般的なことだと指摘したい」「だが、私はイーロン・マスク氏が世界中の政党や政治団体、政治評論家に資金提供しているとは聞いていない」と続けた。
さらに「これは、たとえば、ジョージ・ソロス氏がやっていることだ。私はそれこそが国民国家の内政と主権に対する危険な干渉だと考えている」と主張した。
保守派に批判され、しばしば反ユダヤ主義陰謀論の標的にもなっているソロス氏は、1970~80年代に投資家として蓄えた富を用いて「オープン・ソサエティー財団(OSF)」を創設。同財団は、「良い統治(グッドガバナンス)」や民主主義構築プログラムから、リベラルな公共政策の推進まで、世界中の幅広い活動やNGOを支援している。