瀕死の名門・ペスカドーラ町田を再生させた新社長・関野淳太が目指すアリーナスポーツの頂|Fリーグクラブ特集
スポンサーとの新しい関係性「共創パートナー」
──ホームゲームの集客は自社事業の収益に直結しますし、間接的にはスポンサー獲得にもつながるのではないでしょうか? 関野 その通りです。「ペスカドーラ町田のホームゲームは、エンターテイメント性があってお客さんがたくさん来る。携わっているスタッフはみんなしっかり挨拶ができて非常に気持ちがいい」。もし自分がお金を出すなら、こんなクラブをスポンサードしたいじゃないですか。 ──自社事業を拡大しつつも当然、新たなスポンサー獲得も狙っているんですよね? 関野 はい。だだし依存し過ぎるのはよくないと思っています。すべてのスポンサーではないですが、コロナ禍以前とは関係性を変える必要があると思っています。我々は今年から「スポンサー」という呼び方をやめて「パートナー」と呼ぶようにしました。一緒に作り上げていく存在として、お互いにwin-winになる目的で出資してもらう。企業価値が少しでも上がるような状況を、我々の価値として提供していく。そうしたパートナーシップを築き上げないといけないと思っています。 ──その一つがエプソン販売とのパートナーシップですね。 関野 そうです。エプソン販売さんからは実際かなりの出資をいただいていますが、エプソン販売さんにとってのそれは「宣伝広告費」ではなく「事業費」という位置付けです。ペスカドーラ町田というスポーツチームと一緒に事業を行なうために、エプソン販売さんが捻出して下さった予算です。だから、一緒に取り組んでいる事業自体は掲出していますが、広告としての『EPSON』のロゴはどこにも掲載していないんです。 ──ユニフォームにも、ホームゲームの看板にも、ホームページにすら、掲載はないですね。まさに新しい形の関係性だと思います。 関野 「共創パートナー」という言い方をしていますが、ありがたいことに本当にいい関係性を築けていると思いますし、感謝しかありません。