サッカー日本代表から消えた怪物「ケガして以降…」「なんで評価されへんねん」小倉隆史に平山相太、“堂安律が愛した天才パサー”の挫折
「なんで評価されへんねん」堂安を生かした天才パサー
<名言3> なんで評価されへんねんって。今、思うと、なんであんな行動をしてしまったんやろ……と思います。 (市丸瑞希/NumberWeb 2024年3月12日配信) https://number.bunshun.jp/articles/-/860921 ◇解説◇ 小倉、平山はそれぞれA代表キャップを有している。しかし世代別代表で将来を嘱望されながら、A代表どころか所属クラブでも輝きを放てなかった選手も多い。 その1人が市丸である。 2017年のU-20W杯は、後の東京五輪メンバーである堂安律や久保建英、冨安健洋や板倉滉、さらには小川航基や中山雄太ら現日本代表のラージグループに入る面々が居並んでいた。その中でゲームメークを任されたのが市丸だった。所属するガンバ大阪で“ポスト遠藤保仁”とも見られていた視野とパス能力は、当時のG大阪U-23で戦友だった堂安と抜群の相性を誇っていた。 「当時は『俺が律を一番輝かせることができる存在だ』と思っていましたね」 その言葉通り、U-20W杯では堂安のゴールをアシストするなど活躍を見せたが……所属するガンバでは序列を上げられない日々だった。
お酒を口に…25歳での引退。彼の現在は?
そのフラストレーションを紛らわせるために、市丸は「あんな行動」を取ってしまう。 それは……“嗜む程度”だったとはいえ、お酒だったという。 ガンバで結果を残せず、FC岐阜に行ってもその習慣は変わらず、FC琉球、VONDS市原とキャリアを上向かせることができないまま25歳で引退した。 ただ、サッカーへの情熱は失っていないようだ。 市丸は現役引退後、社会人クラブ「FC SONHO 川西」で選手兼ジュニアコーチとして活動し、子供たちがサッカーに打ち込める環境づくりのために粉骨砕身している。実際、本人も「毎日充実しています」と語るように……セカンドキャリアを前向きに進んでいるようだ。
礒貝、岩本、前園…苦悩を味わった選手が多い中で
この3人に加えて礒貝洋光や岩本輝雄、前園真聖など、ブルーのユニフォームを身にまといながらも苦悩を味わった選手たちは多い。 ただ視点を変えれば、それだけの“チーム内競争”が日本代表にあったからこそ、世界の舞台で戦えるチームになったのかもしれない。 <第1回からつづく>
(「スポーツ名言セレクション」NumberWeb編集部 = 文)