息子1人を「小中高大の学費0」で育てたという家庭の話を聞きました。そんなことができるのでしょうか?
子どもを育てるには、生活費や学費などさまざまな場面でお金がかかります。子育ての費用を捻出するのが大変であることも、少子化を加速させている原因といえるでしょう。そのため、子育て家庭はどこもいろいろな工夫や節約をしているのではないでしょうか。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説 本記事では、子育てに必要なお金のなかでも「学費」にスポットをあてて、学費0で大学まで通わせることができるのかどうかについて解説します。
子ども1人にかかる教育費用はどれくらい?
子どもが通うのは、義務教育である小学校・中学校のほかに、保育園や幼稚園、高校、大学、専門学校などさまざまです。それぞれの目的や目標で通うところは異なってきますが、おおよそどれくらいの費用がかかるのでしょうか。 文部科学省の調査では、公立の幼稚園から高校に通う場合、学校教育および学校外活動のために1年間で必要になるお金は幼稚園では16万5126円、小学校では35万2566円、中学校では53万8799円、高校では51万2971円です。 また日本政策金融公庫の2021年度の調査によると、子ども1人が高校入学から大学卒業までにかかる費用(入学・在学費)は、平均942万5000円という結果も出ています。これらを踏まえると、子ども1人幼稚園から大学まで通わせるとなると1365万2171円となります。
義務教育期間は公立学校であれば授業料なし
日本の義務教育は、国または地方公共団体が設置する学校において日本国憲法第26条第2項、教育基本法第5条第4項、学校教育法第6条に基づいて無償(授業料不徴収)です。 また授業料だけでなく教科書においても児童・生徒が使用する教科書を国が発行者から直接購入し、無償で給与されています。教科書代は、国公私立問わず無償提供です。しかし、授業料や教科書代が無償であっても、それ以外にかかる費用は複数あります。 まず、教科書以外に学習で必要になる道具や校外学習、修学旅行の費用などの学校教育費です。これらは学年によっても差がありますが、小学校では年間6万円程度、中学校では年間13万円程度が必要になるといわれています。 また学校給食がある場合には、給食費も必要です。こちらも各自治体によって金額は異なりますが、年間4万円程度かかるといわれています。その他にも塾や習い事をする場合には、それらにかかる月謝も必要になるでしょう。