「5キロ1680円が今年は3000円超」「国主導で減反、今さら足りないと言われても」…令和の米騒動で露呈した食料安保のもろさ、農家も消費者も未来が見えない
■ ■ ■ 5月に食料・農業・農村基本法が改正され、食料安全保障の強化が盛り込まれた。主食のコメは要となる作物。生産調整を続けるのか、増産にかじを切るのか。 鹿児島大学の坂井教郎教授(54)=農業経済学=は「不測の事態に備えた備蓄の増量も言われているが、コストがかかり、負担は消費者に跳ね返る。国民に食料を手頃な価格で安定的に供給するのが本筋」と話す。 値上がりで困窮世帯が十分な食事を取れなくなり、買い控えも懸念される。逆に余って価格が暴落すれば離農が進み、生産基盤が弱体化しかねない。坂井教授は「コメや麦のような土地利用型作物は競争力が弱く経営が厳しい」とし、支援の必要性を指摘する。 生産者を守りつつ、国民に食料をいかに供給するか。コメ騒動が突きつけた課題に向き合う覚悟が問われる。
南日本新聞 | 鹿児島