3季連続の甲子園となる大阪桐蔭・松尾汐恩＝皇子山球場で2021年10月24日、滝川大貴撮影

　3月18日に開幕する第94回選抜高校野球大会。球春到来の舞台で、活躍が期待される投打の注目選手を担当記者が紹介します。最終回は大阪桐蔭の松尾汐恩捕手（2年）。優勝候補の大黒柱のプレースタイルに迫ります。 【過去には小芝風花さんも】センバツ応援イメージキャラクター 　◇「これはチャンス」　1年弱で正捕手に 　思いきりのいい打撃に強気なリード。昨秋の明治神宮大会でチームを初優勝に導いた強肩強打の捕手のプレースタイルは「イケイケドンドン」だ。 　まずは打者。3番を務めた昨秋の公式戦15試合で5本塁打と長打力を発揮しながら、打率も5割3分8厘と確実性が高かった。捕手の経験を生かした配球の読みがあると思いきや「狙い球を絞ると打てないので、来た球を打っている」と明かす。どの球種が来るのかという迷いがないから力強く振れるわけだが、反応で打てる能力は非凡だ。 　捕手としては主戦の1年生左腕・前田悠伍の良さを引き出す。ともに強気な性格のため、要所で内角を突くなど打者への攻め方が一致。「投げるのが楽しい」と語る前田に思い切って腕を振らせている。守りでは強肩とフットワークの良さを生かし、二塁送球タイムも1・8秒台と速い。 　捕手歴はわずか1年あまり。小学生の頃から主に遊撃を守ってきたが、高校1年の秋にチーム事情で捕手に転向となった。「これはチャンスや」。メキメキと頭角を現し、昨年のセンバツ後から正捕手の座をつかんだ。 　甲子園は昨春が代打からマスクもかぶり、昨夏は2回戦でバックスクリーンに本塁打を放った。自身3度目の大舞台は唯一の前チームからのレギュラー選手としてチームを引っ張る立場になる。「神宮大会優勝チームとして受けて立つのではなく、攻めていきたい」。強気なプレーでけん引する。【安田光高】 　◇まつお・しおん 　京都府出身。小学1年から野球を始め、中学は京田辺ボーイズに所属し、ボーイズの日本代表。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。高校通算17本塁打。右投げ右打ち。