全避難所、年内に解消 石川県「1次」9月末閉鎖
●仮設整備にめど 石川県は、能登半島地震で県内外に開設されたほぼ全ての避難所を、年内に解消する。応急仮設住宅の整備にめどが付き、秋以降は恒久的な住まいへの引っ越しも本格化するとみられるため、1次避難所から順に閉鎖する。県は被災者の暮らし再建を後押しするため、9月補正予算案で復興基金を初めて活用した支援を展開する。 震災直後に約4万人に上った避難者数は現在3千人を下回っており、避難所運営は発災1年を区切りに大きな節目を迎える。 災害救助法に基づく避難所のうち、学校の体育館や公民館を各市町が指定する「1次避難所」、体育館や福祉施設を使った「広域避難所」、金沢市のいしかわ総合スポーツセンターに設けた「1・5次避難所」については、9月末までの解消を目指す。 27日時点で1次避難所は輪島、珠洲、能登、七尾、志賀5市町に34施設あり、計398人を収容する。広域避難所は金沢、白山、能美、羽咋4市の7施設で計39人、1・5次避難所には17人が暮らしている。 県が整備を進める応急仮設住宅は被災者から要望があった6804戸のうち、約9割が月内に完成する見通しとなった。電気、水道、通信、道路などインフラの復旧も進んできたため、県は引っ越し期間も考慮した上で、避難所解消の目標時期を決めた。 一方、北陸三県の旅館やホテルを活用した「2次避難所」と、35都道府県にある「県外公営住宅」は12月末までに閉じる方向。2次避難所は60施設に計321人、県外公営住宅には計555人が入っている。立地自治体の多くが受け入れ期間を1年に設定しており、期限が迫っている。 このほか、高齢者施設を中心とした「みなし福祉避難所」は県内外に約460施設あり、約1400人が入所している。県などの意向調査では約半数が「元の地域に戻りたい」と回答しており、希望者がふるさとに戻れるよう、受け入れ施設の再開に向けた支援を行う。