料理家・松田美智子さん(69才)、自分のためだけに作った料理を別メニューにおいしくアレンジするテク 鍋料理は煮込みうどんやポタージュに
【鍋】「おあげと鶏胸肉のひとり鍋」のレシピ
ていねいに仕上げた具材を豊富な薬味で味わう。 「お鍋ひとつでも、3種類の食感が楽しめる食材を組み合わせるようにしています。薬味は、初めは塩やごま油、次に香味と徐々に味を強くしていくのがおすすめです」 ◆《材料》(1人分) 鶏胸肉…中1枚 塩…小さじ1/2 油揚げ…2枚 春菊…1束 青ねぎ…2~3本 【A】水…2カップ 酒…1/2カップ しょうがのみじん切り…大さじ1 塩・ごま油・針ゆず・ゆずこしょう・ポン酢しょうゆ・さらしねぎ…各適量 ◆《作り方》 【1】鶏胸肉は皮と脂を除き、筋の部分から縦に観音開きにする。ラップに挟み、肉叩きなどで3mm厚さにのばし、4~5cm角に切る。塩を両面に振り、ペーパータオルに挟んで水気をおさえる。油揚げは魚焼きグリルで香ばしく焼き、2cm幅に切る。春菊は軸下を落とし、茎と葉に切り分ける。青ねぎは軸下を落とし、6cm長さに切ってから縦半分に切る。 【2】土鍋に【A】を入れて煮立て、半量の鶏肉を加えて火を通す。春菊の茎から野菜を好みで加えて火を通したら、薬味をつけながらいただく。 ◆シメはおぼろ豆腐で 鍋を食べ終わったら、一度煮汁を沸かしてあくと野菜くずを除く。おぼろ豆腐適量を加え、好みの薬味でいただく。 「木綿などの硬いものではなく、おぼろ豆腐にすることで、おつゆを飲むようにスッとお腹におさまります」 ◆翌日は煮込みうどんに 鍋の煮汁に水と酒各適量を加え、ナンプラーで味を調える。茹でたうどんを加えてさっと煮たら、残った油揚げやねぎなどをのせる。 「土鍋に残った煮汁は鍋ごと冷蔵庫に保存して、翌日そのまま調理できます。小さな土鍋は保存容器としても、調理器具としても優秀です」
【鍋】「ポトフ風洋風鍋」のレシピ
塊肉に見立てたロール肉で深い味わいに。 「塊肉ではなく、巻いた薄切り肉を使うことで火が通りやすく、食べやすくなります。肉に塗ったマスタードが旨みに」 ◆《材料》(1人分) 豚肩ロースしゃぶしゃぶ用…400g 塩…小さじ1/2 こしょう…少量 フレンチマスタード…大さじ2 薄力粉…適量 じゃがいも(メークイン)…中2個 セロリ…2本 ペコロス…8個 にんじん…中1本 オリーブオイル…大さじ1 にんにくみじん切り…小さじ1 サワークリーム…1/4カップ みじん切りパセリ…大さじ1 粒マスタード…適量 【A】チキンスープ…2と1/2カップ 白ワイン…大さじ3 ◆《作り方》 【1】豚肩ロース肉は7cm幅、15cm長さに整え、3~4枚を重ねて並べる。両面に薄く塩・こしょうを振り、フレンチマスタードを上面に薄く伸ばす。手前から空気を抜きながら巻いたら、巻き終わりを下にして薄力粉を全体に薄く振る。 【2】じゃがいもは皮をむき、半分に切って面取りする。セロリは筋を除き、10cm長さに切る。ペコロスは上下を切り落とし、皮をむく。にんじんは皮をむき、縦半分、横半分に切って面取りする。 【3】土鍋(または厚手のホーロー鍋)にオリーブオイルを中火でしっかり熱し、巻き終わりを下にして【1】を並べる。焼き色がつき、肉が固まったら上下を返し、全体に焼き色がついたら取り出す。 【4】【3】の鍋に残った油でにんにくを炒めたら、【2】を加えて炒める。【A】を加えて沸いたら肉を戻して煮立て、一度あくと脂を除いたらふたをして弱火で20~30分煮込む。味をみて、必要であれば塩・こしょう適量(分量外)で味を調える。 【5】パセリのみじん切りは水分をおさえ、サワークリームと混ぜて薬味を作る。 【6】【4】を器に取り、好みで【5】や粒マスタードを加えていただく。
【スープ】「ポタージュ」のレシピ
翌日の朝食にうれしい栄養満点メニュー。 ◆《作り方》 「ポトフ風洋風鍋」の残りに好みの濃度になるように牛乳を加え、ハンドミキサーなどで攪拌する。サワークリーム、塩、こしょうなどで味を調える。 「卵を落として半熟に加熱してもおいしい。よりたんぱく質が強化できます。パスタソースにもおすすめ」 ◆教えてくれたのは:松田美智子さん 世界各国と日本の家庭料理を学び、レシピを紹介。料理教室の主宰をはじめ、調理道具や食器の開発、日本雑穀協会理事など広く活躍。『65歳からの食事革命』(文化出版局)のほか、著書も多数。 撮影/鍋島徳恭 取材・文/丸山月世美 ※女性セブン2025年1月1日号