習志野、春初の決勝 逆転で県勢24年ぶり スタンド、PV歓喜 習志野市役所に200人 /千葉
<2019 第91回センバツ高校野球> 習志野市役所で行われたパブリックビューイング(PV)には約200人の市民らが駆けつけ、初の決勝進出に沸いた。 同点に追いついた直後の七回裏に飯塚脩人投手(3年)が登板すると、祖父の伊藤房さん(80)は「一球一球を丁寧に投げてほしい」と見守った。八回表に逆転すると、「脩人が出てきて流れが変わった」と孫の活躍に破顔した。 逆転で勝利をつかみ、習志野ファンという流山市の高橋敏男さん(49)は「少しのチャンスも必ずものにして勝っていく習志野野球にしびれる。もう負ける気がしない」。吹奏楽部保護者の山崎麻紀さん(44)は「習志野の生徒は部活に青春の全てをかけている子どもたち。努力が報われてほしい」と初優勝を祈った。【小林多美子】 ◇天国から孫を応援 ○…一塁側アルプス席では桜井亨佑選手(2年)の祖母堀越敏子さん(77)が、2月に79歳で死去した夫一代(かずしろ)さんの遺影を抱えて試合を見守った=写真。一代さんは孫が甲子園で活躍する姿を見るのが夢だった。準決勝の前夜に堀越さんがスマートフォンで「頂点までもう少しだね」とメッセージを送ると、「頑張ります」と返信。八回に勝ち越し本塁打を放った孫の活躍に、堀越さんは「夫も天国で喜んでいる」とほほ笑んだ。 ◇千羽鶴に思い込め ○…一塁側アルプス席では、野球部の女子マネジャー3人が思いを込めて折った千羽鶴が飾られた=写真。3年生にとって最後となる夏の大会前に作るのが慣例だが、今年は10年ぶりのセンバツ出場に合わせ、約1カ月かけて完成させた。初戦から毎試合のフェンスに掛けて応援しており、決勝にも験を担いで持って行くつもりだ。戸沢美羽さん(2年)は「思いは、グラウンドに届いていると思う。このまま決勝でも勝ってほしい」と声を弾ませた。