【ソフトバンク】栗原陵矢「全球準備してました」値千金勝ち越し打 35打点はリーグ2位タイ
<日本生命セ・パ交流戦:ソフトバンク6-3ヤクルト>◇13日◇みずほペイペイドーム 絶好調男が交流戦Vへ望みをつないだ! ソフトバンク栗原陵矢内野手(27)が値千金の一打を放った。「日本生命セ・パ交流戦」のヤクルト戦に3番で出場。2-2の4回に勝ち越しの中前適時打をマークした。勝負強さを発揮し、今季初の本拠地連敗を阻止。4カード連続の勝ち越しも決め、貯金を今季最多タイの21に戻した。交流戦首位の楽天とは2ゲーム差。最後まで諦めない。 ◇ ◇ ◇ 低く痛烈なライナー性の打球が中堅へ抜けていく。栗原は一塁を回ったところで納得顔を浮かべた。ポン、ポン。勝負強さを発揮し、2度手をたたいた。 「チャンスだったので何とか返せるようにと思って打席に立ちました」 2-2の同点に追いつかれた直後の4回1死二塁。カウント2-1からの4球目だ。ヤクルト高橋が投じた外角高め直球を仕留めた。「全球準備してました」。球種は特に絞らず。来た球をきっちりはじき返した。この日2打点目を挙げ、中軸の仕事をきっちり果たした。 今季35打点は山川に次いでリーグ2位タイの数字だ。戦列を離れた柳田に代わって、3番を任されている栗原は「ギーさんがいたら(打点は)到底かなわないと思います。自分ができることを必死にやるだけです」。みずほペイペイドームに限ればチームトップの20打点目。オフに自身最多77打点を上回る100打点を公言した男が、無心で打点にこだわっている。 開幕直後は不振を極めた。一時は打率1割台も下回る。3、4月の月間打率は2割1分3厘だった。だが、5月に入ると一転。月間打率3割7分3厘と打ちに打ちまくった。その背景に打撃フォームの試行錯誤を繰り返す日々。同僚の近藤、山川にも助言をもらった。「フォームはシーズン中もコロコロ変わる。一生、野球を辞めるまで」。長いシーズンを見据え、その日の最善を尽くしている。 チームは今季初の本拠地連敗を阻止。4カード連続の勝ち越しで今季最多タイの貯金21に戻した。交流戦も残り阪神との3連戦のみ。首位楽天とは2ゲーム差あるが「自分たちは1試合1試合勝つだけ」と地に足をつけてラスト3連戦に臨む。12球団最多となる9度目の交流戦Vを目指し、栗原がバットでチームを勝利に導いていく。【佐藤究】