【UFC】カラフランス、モカエフOUT、朝倉海INの王座戦線語る「1年前の豪州大会前日にエルセグがUFCに引き抜かれる瞬間を見たんだ」
◆モカエフは勝ち続けていたけど──
──最近のフライ級の状況をどう感じていますか。ムハンマド・モカエフがリリースされ、新たに朝倉海との契約が報道されています。 「フライ級にとっては面白い時期だよ、特に挑戦者たちにはね。誰もが誰とでも戦えるし、誰でもタイトル挑戦のチャンスがある。だから、パースのカードで戦いたいとチームに伝えたとき、スティーブの名前が上がってきて、すぐに戦うべきだと思ったんだ。ベルトを争ったばかりの相手と戦いたいと思っていたからね。彼の地元で彼を倒せば、タイトルマッチへの道筋が明確になる。でも、今はもちろんスティーブとの試合に集中している。彼を軽視するのは愚かだし、このスポーツに長く関わっているからこそ、すべてのエネルギーを目の前の試合に注ぐべきだとわかっている。 ただ、フライ級の現状を見ると、たくさんの選手が登場して、素晴らしい成果を上げてきた。モカエフも確かに勝ち続けていたけど、ここはレスリングやグラップリングの試合じゃないんだ。最低限のことをして勝つだけじゃダメだ。これはエンターテインメントのスポーツであり、痛みを伴うビジネスだ。観客はそのハート、勇気、全力で挑む姿勢を見たいんだ。ノックアウトを狙うだけじゃなく、なぜ自分がメインイベントやコメインを張るべき選手なのかを示さないといけない。だからこそ、自分とスティーブがこのポジションにいるんだ。僕たちは観客が期待外れに感じないように、誰もが話題にするような戦い方をする。それが僕たちの役目だ」 ──脳震盪との戦いも含め、休養期間中にあなたのマオリのルーツや伝統に触れることは役に立った? 「自分が何をしたいのか、どこに向かっているのかをより意識するようになった。そして、これがすべて以前に起こったことだと理解することができる。戦場で戦うのは、自分の血筋にあることだと思う。僕はその現代版に過ぎないんだ。だから、マオリの価値観に触れることで、世界にどう向き合うかが分かる。 今、自分には子供がいて、彼らもマオリの伝統的な学校で学んでいる。これは本当に素晴らしいことだよ。人生についての視点が広がり、何が大切かを優先できるようになる。それは、自分たちの文化、アイデンティティ、そして自分たちが何者であるかを大切にすることだ。ファイターであることは僕の仕事でありキャリアだけど、戦いが終わった後の人生もある。勝ち負けに囚われるのではなく、グローブを外したときの姿によって評価されるんだ。今はとても良い状態にいるよ。バランスが取れていて、落ち着いている。冷静で、今この瞬間をしっかり受け止めることができている」 ──この大会はニュージーランドのMMA史、そしてUFC史にとっても特別な瞬間になるだしょう。パイオニアの一人として、PPVのメインカードで複数のニュージーランド人が戦うことを誇らしく感じますか。 「言わずもがなだと思う。自分たちが期待されていること、そのプレッシャー、そして肩にかかる重みを感じている。母国ニュージーランド、そしてジムのシティ・キックボクシングを代表しているんだ。でも、そういうプレッシャーには向かっていく。逃げることはない。この状況で戦えることは特権だし、戦える期間には限りがあるから、それを理解しているんだ。みんな少しずつ歳を取り、少しずつ賢くなっているけど、自分たちがやっていることには意図がある。そして、これから起こることに対して十分に準備ができている。 この瞬間はニュージーランドにとって大きな意味がある。今年、オリンピックでニュージーランド代表が最高の結果を出してくれたことにも感謝しているけど、今度は僕たちがそのステージに立ち、世界にニュージーランド人のスキルと勇気を見せる番だ。僕はこの環境に身を置いて、このルーティンを楽しんでいる。ファイトウィークを迎えて、すべてを受け入れ、プロセスに従っている。毎日ルーティンをこなしながら、少しずつ試合に近づいていくことにワクワクしている。前にも言ったように、試合に臨み、勝利を手にする準備はできているよ」 ──ベテランのあなたがフライ級タイトルマッチを経験していないのに、先にエルセグ選手が挑戦者になったことに苛立ちはありませんでしたか。 「自分の階級のファイターが、これほど成功するのを見るのはクールなことだよ。僕が休んでいる間に、彼はブラジルで世界タイトルを争い、本当に戴冠が目前だったんだ。MMAでは、試合以外だけじゃなく、その準備期間を含めてプレッシャーや消耗が激しい。僕は1年間それを経験していないから、そこが違いになると思う。フレッシュな状態で戻ってきたんだ。疲労感や燃え尽き症候群がなく、精神的にも肉体的にも、そして感情的にもスピリチュアル的にも新たなスタートを切れる。今の自分は最高の状態にいるし、試合に向けて準備万端だよ」 ──この試合はタイトルマッチ挑戦者決定戦になりうる? 「100%そう思っている。これまでの試合は期待に応えられないものもあった。このフライ級では、誰がエキサイティングな試合をできるかが重要だ。UFCと世界に“自分が次の挑戦者だ”と知らせることが大事なんだ。この試合に勝てば、タイトルマッチに挑戦できると確信しているよ」