真剣で真竹を一刀両断 例祭で「和泉の三役」奉納 鴨川(千葉県)
三役と呼ばれる棒術、羯鼓(かっこ)舞、神楽獅子舞からなる県内では珍しい民俗芸能「和泉の三役」が13日、鴨川市和泉の男金(おがな)神社で奉納された。神前で奉納した後は、同市和泉公会堂で披露され、住民や近隣から訪れた見物客の喝采を浴びた。 棒術、羯鼓舞、神楽獅子舞、それぞれに別の起源を持ち、三役として奉納されたのは江戸時代の文政年間ごろと伝えられる。県内では、棒術と羯鼓舞の組み合わせはあるが、獅子舞が加わる例はなく、2000年に同市無形民俗文化財に指定された。 和泉公会堂で一般にお披露目された三役。最初の棒術では六尺棒などで太刀、鎌の武器を手にした相手との立ち会いで、「神棒」「扇の手裏剣」「傘返し」といった技の演目を次々に披露した。 子どもたちの演目では、おひねりが飛びヤンヤの喝采。圧巻だったのは真剣を使った大人の演武で、真竹(まだけ)を一刀両断すると、見物客からは「オーッ」と、大きな歓声と拍手が沸きあがった。 羯鼓舞は、鳥の羽を付けた獅子頭をかぶり、腹に太鼓を持った3匹の獅子が登場し、笛の音に合せて太鼓を打ちながら踊った。 最後の獅子舞は途中、ヒョットコが出て獅子と戯れる道化もあり、喜劇的な動きで観客の笑いを誘っていた。