箱根駅伝Stories/指揮官から絶大な信頼を寄せられる神奈川大・佐々木亮輔「もう一度10区を走りたい」
新春の風物詩・箱根駅伝の100回大会に挑む出場全23校の選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。それぞれが歩んできた1年間の足跡をたどった。 第100回箱根駅伝・神奈川大のエントリー選手16名をチェック!
都大路は4区区間4位と好走
神奈川大・佐々木亮輔(4年)は絶対音感の持ち主だ。耳で聞いただけで音程が分かる。5歳からバイオリンを始め、コンクールでも入賞した。 中学校でも吹奏楽部に入る予定だったが、「部活体験であまりしっくりこなくて……」。違う部活を探そうと思い、一つひとつ順番に回った。その中に陸上部があった。 走ることは好きだった。先輩たちはいい人ばかりで、「おもしろそうだな」と思ったのが決め手となり入部した。 とてもスポーツをするタイプの少年ではなかったが、小学校の持久走大会は「楽しかった思い出がある」という。 すると、音楽の影に隠れていた才能が目覚めたのか、練習を重ねるうちに急成長。福岡・壱岐中時代の3000mのベストは8分54秒09。全中にも出場した。 当時の福岡県大会では、同学年の杉彩文海(現・明大)のほか、1学年下に石田洸介(現・東洋大)や太田蒼生(現・青学大)がおり、彼らと上位を争うほどだった。 強豪校から佐々木にいくつか声がかかるが、福岡を離れ、佐賀県の鳥栖工高を選ぶ。「ガチガチの高校は遠慮しました。鳥栖工の練習方針や、監督の人柄で決めました」と振り返る。 高校の1学年上には神奈川大でも先輩となる山﨑諒介(現・戸上電機製作所)がおり、同じ福岡からは杉も入学した。インターハイ路線は高3時に3000m障害で全国へと駒を進めた。全国高校駅伝も3年連続で出場し、1年時に5区区間36位、2年時に2区区間14位、3年時に4区区間4位という成績を残している。 「1年時はすごく外したレースをしてしまいました。これではまずいと感じ、2年生では5区と反対側の2区でリベンジをしようと走りました。3年生の4区は最後だったので、1年間がんばった結果だと思います」