消火、搬送手順を確認 花巻空港 旅客機出火想定し訓練【岩手】
旅客機からの出火を想定した花巻空港事務所(紺野憲彦所長)の消火救難訓練は8日、花巻市のいわて花巻空港で行われた。空港や消防、警察などの関係者が万が一に備え、消火作業や負傷者への応急手当て、救急搬送などの手順を確認した。 空港内の事業所員で組織される消火救難隊の初動態勢を確立し、関係機関の連携を強化することが目的。2021年からは消火と救難の両方を行う総合訓練が定例となっており、関係22機関から約100人、消防車や救急車などの車両約10台が参加した。 訓練は滑走路北側に着陸してウエストエプロンを走行中の旅客機から発煙し、乗客の脱出開始前にエンジンから出火、炎上したとの想定で実施。 現場指揮本部の設置や消火活動に続き、救助隊が機内から14人の負傷者を運び出し、救難隊が避難誘導に当たった。 救急隊員らは傷病者の治療優先順位を決めるトリアージを行い、重症度に応じた救護所に担架搬送。県立中部病院のDMAT(災害派遣医療チーム)が中心となって応急救護や搬送病院への連絡の流れを実践した。 設備のトラブルにより救護所が設営できないアクシデントもあったが、予備品を用いて臨機応変に対応していた。 紺野所長は「航空機の安全・安心な体制の確立は空港の利用活発化の大前提。効果的な応急救護や関係機関の緊密な連携を確認することができた有意義な訓練だった」と話していた。