「人間同士の心の”掴みどころのなさ”を語り合ってほしい」原作者・平野啓一郎×主演・池松壮亮《映画『本心』特別対談》
人の心の“掴みどころのなさ”を語り合ってほしい
池松あらゆる社会問題のこれからを提示しながら、私たちはどう生きるかをということを、同時代の人々と共有できるエンターテイメントとなりました。原作はまた違って、映画には入り切らなかった素晴らしく魅力的なエピソードの数々もあります。合わせて触れていただければ幸せです。同時代を生きる皆様に届けたい物語です。 平野せっかくなので原作も読んでもらいたいですけど(笑)、とにかく映画を見てもらって、皆さんの熱演を体感してもらいたいです。わかりやすいエンターテインメントではないので、誰かと一緒に見に行って、内容について色々語り合ってもらいたいですね。 原作の『本心』は、人間同士の心の掴みどころのなさというか、わかりたいんだけどわかりきれない、けれどわかろうとする、ということがそもそものテーマでもありました。語るべき余白も映画には残されているので、そこを誰かと語り合うことで、今までうまく話せなかったことを表現できたり、相手のことがよりよく理解できたりということもあると思います。ぜひ誰かと一緒に観に行って、感想を共有してもらいたいなと思います。 『本心』 11月8日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー (C)2024 映画『本心』製作委員会 配給: ハピネットファントム・スタジオ 原作:平野啓一郎「本心」(文春文庫 / コルク) 監督・脚本:石井裕也 ………… 【もっと読む】『踊る大捜査線』の最新作に出演しなかった深津絵里が、表舞台から姿を隠す「知られざる事情」
伴田 リサ(ライター)