センバツ甲子園 熊本国府の選手に打撃アドバイス 山田監督も信頼、熊工OB今村さん /熊本
18日に開幕する第96回選抜高校野球大会に熊本県から出場する熊本国府(熊本市中央区)は、2023年秋の九州地区大会で毎試合2桁安打を放つなど打撃面でも存在感を放つ。そんなバッティングを支えているのが山田祐揮監督と熊本工業高野球部時代の同級生、今村裕一郎さん(31)。ともに夏の甲子園に出場したチームメートだ。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 「今のままでOK。変えなくて大丈夫」――。九州地区大会など公式戦では、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で気がついたことを出場した選手に伝え続けた。梅田悠汰選手(2年)は自身の本塁打を「今村さんのアドバイスのおかげ」と振り返り、打率5割超の山下勝耀選手(同)も「感覚的なところの指導をしてもらい、良くなった」と感謝する。気さくな性格から選手たちもアドバイスを求めやすい。 身長190センチ近い大柄な今村さんは高校時代、通算44本塁打の強打者。指導する人が不足していると山田監督から聞き、23年春ごろから仕事が休みの土日などに熊本国府のグラウンドに足を運び始めた。ユニホームもなく、正式なコーチの肩書もない。だが山田監督や保護者からの信頼は厚い。 熊本国府の初戦が迫る。今村さんの心配は甲子園の広さだ。「選手に声が届くかが不安」。だが選手たちはその大柄な姿を引き合いに「今村さんならどこにいてもすぐ分かるからきっと大丈夫」と心配はしていない。【野呂賢治】