取得財産でポルシェ2台とハーレー1台を購入 検察の追及受け「あっ車、買った」と告白 紀州のドンファン公判 被告人質問詳報
検察官「密売人への注文と検索は関係ない」
被告「直前に見ていた動画が薬物の大量摂取に関するものだったから、それが引っかかって見ただけ」
野崎さんの死因は急性覚醒剤中毒。被告の犯人性を見極める上で野崎さんと違法薬物に接点があったか否かは重要な焦点で、検察側の質問が続く。
検察官「なぜ購入依頼を断らなかった」
被告「私が使うわけではないから、お金をもらえればいいかなと」
検察官「覚醒剤を購入するのはリスクがある」
被告「うーん。使って体に残るならリスクがあるけど、頼まれる分には重く考えていなかった」
検察官「密売人と接触するのを重く考えていなかった」
被告「はい」
■「死体を見たのが初めてだったから、びっくりした」
野崎さんの死亡が確認された直後の行動も取り上げられる。被告が野崎さんの異変について119番したのは同年5月24日午後10時35分ごろ。野崎さん宅に駆け付けた警察官らが帰ったのは翌午前2時ごろだった。
検察側によると、24日午後9時35分ごろの履歴の次は25日午前2時15分ごろ。「インスタグラム 一括削除」と検索していた。
検察官「なぜ」
被告「うーん。覚えていないです。この前からユーチューブでいろいろ見ています。検索が最初というだけで」
検察官「野崎さんが亡くなったときの感情は」
被告「悲しかったということですか。死体を見たのが初めてだったから、びっくりした」
検察官「喜怒哀楽でいえば」
被告「いや…どちらかといえば『無』ですかね」
■「欲のせいで足元すくわれた」
被告は野崎さんの死亡後、友人にラインで「ぜんぜん財産もらうつもりだったよ。欲のせいで足元すくわれたけど」とメッセージを送っていた。
検察官「『足元』とは」
被告「遺産目的というかお金目当てに安易に結婚して、それをつっつかれてマスコミにいじめられている状況を言っている」
冒頭陳述によると、死亡後、被告は野崎さんが経営していた会社の代表取締役に就任。会社から約3800万円を受け取っている。この理由について被告は前回の公判で、当時委任していた弁護士に「役員報酬として月30万円ぐらいもらえないか」と相談したところ、弁護士から「3千万円入金できる」と言われたと説明していた。