懲戒処分対象の報告義務に関する北海道と道内人口上位12市の規定状況

　公務員が懲戒処分の対象となる職務外で起こした刑事事件について、北海道と道内人口上位12市のうち、札幌市を除く道と11市が指針などに報告義務を明記していないことが30日、北海道新聞の調べで分かった。職員が逮捕されれば、欠勤や警察の発表で職場が把握できる一方、任意の在宅捜査では本人から申告がなければ、認知することが難しい。大麻事件に関与した疑いのある消防士の未申告で、不祥事が見過ごされていた北見市と同じく、懲戒処分の規定に「抜け穴」がある可能性が浮上した。

　各自治体は人事院の指針に基づき、懲戒処分（免職、停職、減給、戒告）の適用事例を定める。同指針では、窃盗や詐欺、違法薬物所持などが免職の対象。北海道新聞が道と12市に聞き取ったところ、職員が刑事事件を起こした場合、懲戒処分の指針に上司への報告義務を明記しているのは札幌市のみだった。