センバツ21世紀枠 倉吉総産、中国候補校に 着実に実力磨き /鳥取
来春開かれる第94回選抜高校野球大会(日本高野連、毎日新聞社主催)の全国9地区の「21世紀枠」候補校が10日発表され、中国地区からは倉吉総合産(倉吉市小田、徳田章人校長)が選ばれた。来年1月28日の選考委員会で倉吉総産が21世紀枠(3校)に選ばれれば、前身の倉吉産、倉吉工時代を含めて初の甲子園出場となる。 倉吉産と倉吉工の統合に伴って2003年に学校が創設され、同時に野球部も誕生した。部員は29人。19年に就任した定常弘顕監督の下で着実に力を伸ばした。今秋の中国大会1回戦では、その後優勝した広島・広陵に零封負けを喫したものの、県大会では左腕エース伊藤愛希投手(2年)を中心とした総合力の高さが光った。 野球部はボランティアに力を入れており、地元警察署に協力して青少年向けの非行防止啓発活動などを行っている。また、部員同士が推薦する本をリレー方式で読み継ぐユニークな読書活動に取り組んでいるほか、工業系の生徒がカウントボードや防球フェンスを手作りするなど、地域や学校との関係を大切にしている。 今回の選出を受け、県高野連の田辺洋範会長は「高校生らしくきびきびとした態度で試合に臨み、全力でプレーする姿には好感が持てる。より一層の飛躍と活躍を期待している」とコメント。徳田校長は「たいへん喜ばしく光栄。コロナ禍でさまざまな制限がある中、工夫をしながら日々の練習を積み重ねた姿も評価いただいたと思っている」と喜びを語った。【望月靖祥】