甲子園での最終戦を終え、ファンにあいさつする新井監督（右端）ら広島ナイン（撮影・山口登）

　「阪神４－３広島」（１４日、甲子園球場） 　敵地に広がった歓喜の輪が、敗戦のショックを増幅させた。同点の九回２死二、三塁。中野の打球が無情にも中前で弾んだ。中盤までのリードを守れず今季８度目のサヨナラ負け。広島・新井貴浩監督は「自分の継投ミス。ワンテンポ遅れたかな」と責任を背負った。 【写真】うれしいとばっちり？中野にかけられた水を豪快に浴びてしまう才木 　分岐点は３点リードの七回。２番手・島内が無死一塁から大山の投ゴロを処理したが、二塁送球がそれて併殺を奪えなかった。その後一、二塁となって代打・前川に四球を与えると、ベンチは森浦にスイッチ。だが、森浦は１死満塁から梅野に押し出し四球を与えた。 　続く木浪の打球を菊池がダイビングキャッチで止めて二塁にトスしたが、遊撃・矢野が落球。１点差となって代打・原口の左前適時打で試合を振り出しに戻された。指揮官は「前川のところで（島内を）代えてあげるべきだった。アップアップしていたからね。自分のミス」と敗戦の矛先を自らに向けた。 　攻撃では動に転じた采配が奏功した。「どういう並びにしたら“線”になるか」と今季初めて坂倉を２番、野間を７月５日・中日戦以来２度目の４番に据えた。四回は坂倉が先頭で初球を右翼線二塁打。１死三塁から野間の中犠飛で先制した。 　１点リードの六回は無死一塁で坂倉が２球目を引っ張って右前打。「いい投手なので早め、早めで」と積極的な姿勢で好投手・才木の攻略につなげた。その後、１死二、三塁から野間のたたきつけるような二ゴロの間に三走・秋山が生還した。 　「走者が秋さん（秋山）だったので、ギャンブル気味に来るだろうなという頭はあった。（打球が）抜けて安打になれば良かったけど最低限、打点になって良かった」。つなぎの４番が得点に絡むも、勝ち切れない現実がもどかしい。今季最長の６連敗となり、野間は「とにかく明日勝てるように」とナインの思いを代弁した。一刻も早く負の連鎖を止めなければ、Ａクラスでいることさえも危うくなってくる。