『ビリオン×スクール』©フジテレビ

　『ビリオン×スクール』（フジテレビ系）を観ていると「ありがたや、ありがたや」と拝みたくなる。 【写真】水沢林太郎と松田元太が対峙するシーン 　なぜなら、山田涼介（Hey! Say! JUMP）、木南晴夏、松田元太（Travis Japan）、神木隆之介、大原梓、山下幸輝、奥野壮、柏木悠（超特急）、上坂樹里……存在自体が神のような俳優たちが、超絶面白い物語で演技をし、我々の感情を揺さぶってくれるからだ。 　財閥グループ企業のCEOで、高校教師の億万長者・加賀美零（山田涼介）が、3年0（ゼロ）組にはびこる問題を解決していく本作。エンターテインメントに特化していて、明日の活力をもらえるこのドラマのなかで、重要な役割を担っている俳優がいる。水沢林太郎だ。 　山田たちと同じく、存在自体が神の水沢が演じているのは、ゼロ組の生徒・西谷翔。加賀美に家族の問題を解決してもらって以降、加賀美と生徒の架け橋となり、様々な問題に立ち向かってきた西谷。彼が物語をつなぐ中心点となって、ドラマを面白くしていることは間違いないが、改めて振り返ると、この作品には大きな特徴があることに気づく。 　破天荒で俺様気質のどこか憎めない加賀美と秘書兼ボディーガードの副担任・芹沢一花（木南晴夏）とのやりとり、光井ひかる（志田未来）、溝口信雄（坂口涼太郎）、土橋淳平（永野宗典）、堺宮子（MEGUMI）らが登場する職員室、加賀美と内巻雫（神木隆之介）とのツーショットなど、忘れたくても忘れられない陽シーンが多いだけでなく、個性が光る俳優陣がキャストとして名を連ねている本ドラマは、もうインパクトだらけ。 　そうした濃いメンバー＆物語のなかで、視聴者に近いリアクターのポジションにいるのが西谷である。作品を拝見していると、どこまでもブレない彼がいるからこそ、物語がコメディにもハートフルにも振ることができるのではないか、と感じる。

過去作でも自身のポテンシャルを最大限に発揮してきた水沢林太郎

　西谷のようなバランサーは影の主役だ。そうなると、物語の縦軸となる主役生徒だけが目立って、西谷の存在感が薄まりそうなものである。だが、そうはならないのが水沢のすごいところ。普段は冷静であるものの、梅野ひめ香（上坂樹里）のいじめ問題や、竹中天珠（山下幸輝）の不登校問題では、感情をむきだしに。第1話の主役回では水沢が“西谷の心のゆらぎ”を丁寧に演じ、緩急ある芝居を見せた。ジェットコースターのように物語が展開される『ビリオン×スクール』で、魅せるところは魅せ、抑えるところはしっかりと抑える。決して欠けてはならないドラマのピースとなって、存在感を発揮しているのだ。 　これは、これまで彼が出演してきた『17.3 about a sex』（ABEMAほか）“生物王子”こと朝日悠役、『恋に無駄口』（ABCテレビ・テレビ朝日系）の真山深役、『スタンドUPスタート』（フジテレビ系）の立山隼人役、『マイ・セカンド・アオハル』（TBS系）の峯川龍之介役などでも同じ。自分が与えられたポジションで、自身のポテンシャルを最大限に発揮してきた賜物だろう。 　2003年生まれの水沢は現在21歳。彼と年齢の近い板垣李光人、清原果耶、窪塚愛流や、水沢と仲が良いことでも知られる道枝駿佑（なにわ男子）など、同世代には将来を有望視されている俳優が多くいる。近い将来、この世代が映画やドラマをけん引するのは間違いないからこそ、どう飛躍するのか、どんな道を歩むのか、楽しみにしている人も多いことだろう。 　そんな「次世代俳優」として期待される水沢が出演する『ビリオン×スクール』第5話は8月2日に放送される。加賀美がパパ活問題に直面。西谷たちも何やら協力するようで……。