「コーチが居残り組のメンバーに伝えた言葉があります」モンテディオ山形の渡邉晋監督がこだわる”フラットなスタンス”「僕の頭の中には...」
3週間のインターバルについては...
J2リーグの最終節(11月10日)からJ1昇格プレーオフ準決勝(12月1日)までのインターバルは約3週間。試合まで数週間空く現状を、モンテディオ山形の渡邉晋監督は「イージーか、ディフィカルトで考えると、イージーではない」と捉えていた。 【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開! 「この期間でメンタルをもう1回どう持っていくか。フィジカルコンディションもそうで、いろんな練習メニューをやれる分、詰め込みすぎてしまう危険もあります。そのあたりのあんばいをしっかりと考えないといけません」 今季の山形はリーグ最終盤を怒涛の9連勝で締め括っている。だから間を空けずにその勢いのままJ1昇格プレーオフ(準決勝の相手はファジアーノ岡山)を戦いたい願望があったに違いない。ただ、渡邉監督は3週間空く条件を「お互い様」と言っている。 「同じスタートラインにいます。どちらかにアドバンテージがあるわけではないので、自分たちにフォーカスしてやりたい」 この3週間の長さについて、渡邉監督は「長いとも短いとも思わない」。 「毎日練習できればそれでいい。僕は練習が大好きなので休みたくないし、シーズンが長くなればなるほどいい(笑)。明日何をやろうかなと練習メニューを考える時間が幸せ。長くなればなるほど嬉しいです」 気になるのは、選手のモチベーションをどう維持するか。選手それぞれが自分の立ち位置(スタメンか、控えか、ベンチ外か)をおそらく把握している中で、指揮官はどうチームをまとめるのか。その点について訊くと、渡邉監督は以下のように答えてくれた。 「シーズンの頭から常にメンバーをフラットに見ています。選手たちにそれをあえて伝えていませんが、その考えでやっています。 (最終節の)千葉戦の前かな、岩瀬(健)コーチが居残り組のメンバーに伝えた言葉があります。『開幕戦と(37節の)水戸戦のスタメン、控えを含めて何人同じか知っているか』と(同じスタメンは4名=後藤雅明、川井歩、髙江麗央、イサカ・ゼイン。試合メンバー18人で見ると同じなのは9名)。事実、固定されていないし、僕の気持ちを理解しているからこそコーチ陣はそう言ってくれたと思っています。 まずは今週末の練習試合(対戦相手は非公表)に向け、僕の頭の中には名前のボードがあって、それをシャッフルして一から選び直します。9連勝している最中にメンバーが変わってなかったのは結果論であって、毎回シャッフルして選んでいます。それを選手たちも分かっているし、だからこそみんな素晴らしいプレーができています」 渡邉監督の下、一致団結した山形がJ1昇格プレーオフでどんな戦いを見せてくれるのか。今から楽しみだ。 取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)