宮田大と大萩康司による人気デュオが新譜発売記念コンサートツアーを開始
それぞれが日本を代表するチェリストの宮田大とギタリストの大萩康司。2018年から共演を重ねてきたデュオは、珍しい編成とそこから生み出される新たなサウンド、ふたりの信頼関係が伝わるアンサンブルによって多くの聴衆を魅了してきた。2020年には初共演アルバム『Travelogue』をリリースし、それから4年。待望の新譜『atelier』が12月にリリースされ、年明けからはコンサートツアーがスタートする。特に会場の一つとなっている那須野が原ハーモニーホールはレコーディングがおこなわれた場所でもある。 【全ての写真】チェリストの宮田大とギタリストの大萩康司 宮田「ふたりで演奏するのは今回の録音が初めてだったのですが、私が栃木出身ということもあり、ソロではたびたび演奏させて頂いている大切な場所です」 大萩「初めて音を出した瞬間に感動しました。とても自然であたたかみのある響きで、奏者が出している音が客席のすぐ近くで聞こえるような感覚を味わっていただけると思います」 宮田「1,200席と、この楽器のアンサンブルからするとかなり大きな会場なのですが、小さな音を出した時こそとてもよく聞こえるところなので、その空気感もお届けしたいと思い、レコーディングの会場に選ばせて頂きました」 大萩「響きを使っての音楽づくりも楽しみのひとつでした。お客様にはぜひCDと生演奏で聴き比べもお楽しみいただきたいですね」 コンサートツアーでは新譜『atelier』収録曲が披露されるが《さくらんぼの実る頃》や《スカボロー・フェア》といった名曲、映画音楽にケルト音楽、ボサノバなど幅広い楽曲によるプログラムである。様々なジャンルに精通する宮田と大萩ならではの選曲と演奏が楽しめる。 宮田「前作からのつながりもあるのですが、今回はより親密な空気感があるかもしれません。私たちが旅から帰ってきて、あらたな音楽を作り出している空間に気軽にお越しいただくような感覚を味わっていただけたらと思います」 耳なじみのある旋律がふたりのアンサンブルならではの魅力的なサウンドで楽しめるが、そのなかで一際存在感を放っているのがスティーヴン・ゴスによるチェロとギターのための作品《Park of Idols》だ。 大萩「各楽章がギタリストや現代美術作家へのオマージュになっており、ジャズやエレキギターを思わせる要素が取り入れられているなど、クラシックギターの様々な可能性を感じて頂ける作品です。演奏はかなりの難易度で、指でヨガをしているような感覚になったりもします(笑)」 宮田「楽譜にはかなり指示やイメージが書かれていて、聞けば聞くほど味が出てくる曲です。色々なアイディアが生まれるので、ツアーの間でも演奏が進化していくと思います」 多彩な音色と幅広い音楽性をもつふたりだからこその色とりどりの化学変化が楽しめるアンサンブルによる魅力的な楽曲を、ぜひCDとコンサート、両方でお楽しみいただきたい。 取材・文:長井進之介 <公演情報> 宮田大&大萩康司 デュオ・リサイタル 公演日程:2025年2月1日(土) 会場:那須野が原ハーモニーホール