香港民主派テーマ曲動画、ユーチューブがアクセス遮断-裁判所命令後
(ブルームバーグ): 米アルファベット傘下グーグルが運営する動画共有サイト、ユーチューブは香港民主派が政府への抗議活動で使った楽曲の動画へのアクセスを遮断した。香港の裁判所が先週、この楽曲「香港に再び栄光あれ」を禁じる行政命令を承認していた。
ユーチューブは資料で、裁判所の判断に従い、同楽曲の32バージョンを直ちに利用できなくすると発表。香港から15日にこれらの動画へのアクセスを試みたが、「このコンテンツは裁判所の命令により、この国のドメインでは利用できない」というメッセージが表示された。裁判所が削除指定しなかった楽曲動画の幾つかのバージョンは、アクセス可能なままだった。
ユーチューブの広報担当者は「裁判所の決定に失望しているが、香港の視聴者を対象にリストアップされた動画へのアクセスをブロックすることで、その削除命令を順守している」と説明した上で、「情報へのアクセスを促進するため、上訴の選択肢を引き続き検討する」とコメントした。
中国外務省の汪文斌報道官は北京での定例記者会見でユーチューブの動きについて問われ、「分離独立を誘発し、国歌をおとしめる行為を扇動する者を阻止することは合法的かつ必要な措置だ」と答えた。
香港高等法院(高裁)上訴法廷がこの楽曲を受け入れているプラットフォームの責任を問う差し止め命令を8日に認めたため、世界的なインターネット各社は新たな法的リスクにさらされることなった。
香港当局はグーグルにそうした動画を削除するよう要請。グーグルのユーチューブを巡る譲歩は、国家機密やスパイに関する中国の曖昧な法律に倣う「国家安全条例」の制定など民主派を抑圧するために広範な措置を講じてきた香港政府にとって暫定的な勝利を意味することになる。
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原題:Google Blocks Videos of Hong Kong Protest Song After Court Order (抜粋)