大阪のホテル街、路上売春に対策 「心理的効果」で激変 自転車“乗ったまま通行”も
大阪のホテル街で問題になっている、いわゆる「路上売春」を防止するため、警察は道路を黄色に塗装する対策を講じた。実は、これにはノーベル経済学賞を受賞したある理論があった。 【画像】“おしチャリ”率90%! 東京・狛江市が行った「ある対策」とは?
■売春目的の女性目立ち…住民と警察協力し対策へ
街の人 「やっぱり治安が悪い所っていうイメージがついちゃうから。やめてほしい」 「帰りは曲がった方が近いんですけど、避けて通ることはよくあります」 大阪市北区の繁華街「太融寺町」。ホテルが立ち並ぶ路地裏のこの一角では、売春目的で客待ちする女性の姿などが目立ち問題となっていた。 警察によると、この1年間で売春防止法違反の疑いで30人が逮捕されている。 そこで、大阪府警と地元住民らが協力し、売春の客待ちを抑制するため対策を行った。 まず、およそ100メートルの道路を黄色く塗装。そこに鮮やかな魚などのイラストを貼り付け、街の雰囲気を一新した。 周囲の目を引く派手な色にすることで、客待ちする女性が路上に立ちづらくなるという「心理的効果」を利用したという。 曽根崎防犯協会北野地区支部長 藤野雅文さん 「(道路)工事をして頂いた時から、本当に少なくなりました。それ(客待ち)が解消されたということは、地域住民にとっては本当に喜ばしいこと」
■自転車降りて通行の場 “乗ったまま”後絶たず
東京・狛江市でも人々の心理に訴えることで、効果を上げたアイデアがあるという。 小田急線狛江駅には南北にまたがる歩行者専用道路があるが、禁止されている自転車に乗ったままの通行が後を絶たず、歩行者と接触するなどトラブルが起きていた。 狛江市では、これまでも自転車を降りて歩くよう車止めを設置したり、誘導員を配置するなど対策を取ったが、効果は得られなかった。 そこで自転車の押し歩きを進める新たな対策を行った。それが…。
■自転車の押し歩き表す 行動示すポールの効果大
狛江市 秘書広報室 田代興大さん 「このように『止まる』『降りる』『押し歩き』といった形で、自転車が実際に押し歩くまでの行動を分解して、その通りに動けば、押し歩き“おしチャリ”ができるような形にしています」 「止まれ」という禁止ではなく「止まる」「降りる」「押し歩き」といった行動を順序立てて表示したところ、自転車を降りなければいけないと感じる人が増えたという。 住民 「ここに来る時は、手前ぐらいから降りて歩かなきゃって気になりました」 「いいと思います。人がいて注意するのも、かどが立ったりするだろうし。自分で気付いて、やったほうがいいんじゃないかな」 設置前は自転車を押して歩く人は40%程度だったが、設置後はおよそ90%まで増えたという。 田代さん 「禁止を強調するのではなく、“自転車を降りた方がいいんだろうな”という雰囲気づくりに注力しました。(今後は)看板も撤去してオシャレな駅前づくり、スッキリした駅前づくりをしたいと考えています」 (「大下容子ワイド!スクランブル」2024年12月19日放送分より)
テレビ朝日