国内初の「オンライン国勢調査」は成功するか? 1000万世帯回答の根拠とは
9月10日から5年に1度の国勢調査が始まります。今回は、日本で初めてパソコンとスマートフォンを使った「オンライン調査」が実施されることになっていて、総務省では約5100万世帯のうち1000万世帯以上がオンライン経由で回答する(回答率約20%)と見込んでいます。しかし、そもそもオンラインによる国勢調査とは何でしょうか? なぜ、そんなに多くの人がオンラインで回答する見込みがあるのでしょうか?
「オンライン調査」って何?
国勢調査というのは、国の政策を決めるための基本となる統計調査で、1920年(大正9年)から5年ごとに実施されています。20回目となる今年、はじめてオンライン調査が全国的に実施されることになりました。 オンライン調査は、従来の紙に記入する方法とは違って、パソコンとスマートフォンを使って調査項目に回答する方法です。いわゆる“ガラケー”には対応していませんが、24時間いつでも回答できることや、記入漏れを自動的にチェックできるなど調査精度を上げられるメリットがあります。調査を実施する自治体や調査員の事務が軽減され、マークシート用紙を機械に読み取らせる時間が短縮されるなどの効果も期待されています。いろんな意味で、従来の調査よりも“スマート”なので、「スマート国勢調査」とも呼ばれています。 流れをみてみましょう。まず9月10日から20日にかけて、全国約70万人の調査員が直接家庭を訪れ、オンライン調査用のIDとパスワードを配布します。このとき、紙の調査票は配布されません。回答者は、専用のウェブサイトにアクセスし、ID(12桁の英数字)とパスワードを入力します。標準的な世帯の場合、回答時間は約15分。これは紙による調査と比べて、マークシートを塗りつぶす手間がなくなることなどから、回答時間が5分くらい短くなると言われています。 一方、オンライン調査による回答がなかった場合は、今度は9月26日から調査員が紙の調査票を配布します。マークシートに回答を記入後、調査員に提出するか郵便で返送します。調査票の提出期間は10月7日まで続きます。 いずれかの方法で、国勢調査に対する回答は終わりですが、調査員に再度会ったり、郵送する手間を考えると、オンラインの方が楽になると考えられるわけです。 ちなみに、国勢調査は、住民票や外国人登録がなくても調査対象となるため、専用のサイトは英語でも利用できるよう設計されています。世界27の言語の対訳が用意され、外国人でもオンライン調査を利用できるようになっています。