なぜ57歳の三浦カズは“命の危険”を覚悟の上で現役続行を決めたのか…国立競技場でアトレチコ鈴鹿入団会見
斉藤オーナーと朴新監督とともに、スーツにネクタイ姿で記者会見に臨んだカズは、現役を続ける意思の源泉を問う質問にこう答えている。 「情熱が常に高いというか、衰えない。オファーを出してくれるチームがあるのもひとつだし、こうして(メディアの)みなさんが集まってくれるのもそうですし、ファン・サポーターの一人ひとりの声といったものも含めて、まだまだグラウンドで戦えるモチベーションが沸いてくる。その意味で、自分から辞める選択はないと思っています」 しかし、生身の人間である以上は、カズも例外なく不安を抱えている。 先に放送されたフジテレビ系『ワイドナショー』でインタビューに応じたカズは、旧知の間柄である前園真聖氏(50)に対して、心臓の検査を受けたと明かしている。 「心臓とかが急に止まっちゃうんじゃないかなと。もうすぐ60歳じゃない。年齢のことを考えるとみんな心配してくれるので、心臓から検査して『サッカーをやっていて、本当に大丈夫でしょうか』と質問したら、先生は『わかりません』と言うんですよ」 57歳のプロサッカー選手という前例は、当然ながら日本だけでなく世界にも存在しない。だからこそ、サッカーの公式戦が体にどれだけの負荷をかけるのか、推察すらできない。それでもカズは「本当に危険だから、真剣に『辞めろ』と言われる」と、周囲から寄せられる声を笑いながら前園氏へ明かしている。 この日の会見でも鈴鹿への移籍とともに、現役を続けるカズの決断に対する夫人のりさ子さん(56)や、次男で格闘家の三浦孝太(22)ら家族の反応が問われた。カズは「正直に言っていいですか」と、笑いながら断りを入れた上でこう続けている。 「何も言っていません。リアクションもないですね。そうした会話が出てこない。ポルトガルから帰ってきたときに『次どこでやるの』と聞かれて、冗談で『ポルトガルかブラジルかな』と言ったら『また海外なの』と。その程度ですね」 ただ、これまで見せてきた反応とはちょっぴり異なるものもあった。 3年後の2027年2月26日には60歳になる。還暦を迎えたカズは何をしているのか。周囲に対して「ピッチの上で死にたい」と生涯現役を語った時期もあったカズは、この日は「わかりませんね」と明言を避けている。 「3年後ですよね。あっという間ですね。ここまでの3年も早かったし、ちょっと答えられないですね。いまを精いっぱいやるだけなので。やれるものならずっとやっていたい、とずっと言ってきたし、そうなればいいけど、実際にはわからないですね」