ヴィンテージウオッチの奥深き世界【5】ニキ・ラウダのF1での偉業を称賛した純粋レーシングモデルのダブルネーム仕様のホイヤー
ホイヤーというブランドは、自動車と深い関係をもっている。同ブランドのモデル、モナコは、F1グランプリの舞台となるモナコからネーミングされたもので、このモデルもモンツァとイタリアのサーキット名からのものだ。しかも今回は、レーシングメイトとのコラボアイテムというレアな個体。日本人にとっては往年のレーシングヒーローの記憶がよみがえる。 【画像9枚】自動車レースと深く関わるモデルを多くラインアップしているホイヤー 【ヴィンテージウォッチの奥深き世界】 ホイヤー社は1860年にスイスのサンティエミで創業した老舗時計ブランド。特に機械式クロノグラフなどに搭載されているストップウオッチのスタート&ストップを実行するギアの振動ピニオンを発明し、特許を取得したことは有名で、スポーツ時計の分野で先進的な存在となっている。 そんなことから、自動車レースと深くかかわるモデルを多数ラインアップしている。クロノグラフというとパイロットウオッチ的なイメージが強いが、100分の1秒単位の過酷な争いをする自動車レースでも重要な計器となっているのだ。実際、1970年代には名門フェラーリチームの公式時計に採用されているし、90年代にはF1の公式計時としての実績もある。 ホイヤーのレーシングクロノグラフとして人気なのは、映画「栄光のル・マン」でスティーブ・マックイーンが身に着けていた四角いケースのモナコクロノグラフ。モナコは自動車ファンにとっては、F1レースの舞台となっているのはご存じのはず。モナコといい、他にもカレラとレースに関係のあるネーミングの時計がラインアップされているのは、ホイヤー社が自動車競技と深い関係があることを物語る。 自動車レースと関わりが深いホイヤーの腕時計。今回紹介するモデルの価値とは? 今回取り上げているモデルはモンツァクロノグラフで、これはイタリアの名門サーキットの名称からネーミングされたもの。機構的には左側に竜頭があることからホイヤーのクラシッククロノグラフと分かる設定。レーシングクロノグラフとして、一級品といって間違いないモデルなのだ。 そしてこのモデルは、レーシングメイトとコラボレーションしたレアアイテム。アンティークの機械式時計にとって、ダブルネームは希少価値が高いのが常識。これは日本のレース草創期に多くの伝説を残した、式場壮吉さんが率いたレーシングメイトとのもので間違いない逸品。当時のVANジャケットとコラボしたファッションアイテムなどは高額で取引されていることを考えると、この時計の価値は計り知れない。価格の52万8000円(税込)は、お買い得なのかもしれない。 フォーミュラワン アラーム 自動車レースと関係の深いタグ・ホイヤー社ならではのモデルで、公式時計にもなっていたF1の名前が与えられている。ムーブメントはクオーツ、ケース&ベルトはステンレススチール、200m防水と現代的な設定となっている。機械式時計ほど気を遣わずに使えるカジュアル仕様となっている。 モナコ クロノグラフ 世界初の角型防水ケースを採用したタグ・ホイヤーを代表するクラシックモデルがモナコ。映画「栄光のル・マン」でスティーブ・マックイーンが着用していたモデルを再現した仕様。裏スケルトンで、自社製自動巻きムーブメント、キャリバー11の作動状況を確認することができる。
Nosweb 編集部