2025年度予算案閣議決定 復興特会6592億円 原子力災害事業で10年ぶり増 福島県
政府は27日、2025(令和7)年度予算案を閣議決定した。一般会計から切り離して復興予算を管理する東日本大震災復興特別会計(復興特会)は6592億円で、2024年度当初予算と比べて261億円(4・1%)増となった。震災の地震・津波被災地域を中心とした復興の進展で予算規模は年々減少していた。しかし帰還困難区域の再生が本格化するなど原子力災害からの復興事業に伴い、10年ぶりに前年度を上回った。 復興特会の大部分を占めるのは復興庁所管分の4864億円で前年度当初予算と比べて158億円(3・3%)増え、10年ぶりに増加に転じた。 このうち東京電力福島第1原発事故からの福島県復興に直結する原子力災害からの復興・再生分野は3355億円で、前年度当初比17億円(0・5%)増加した。帰還困難区域の避難指示解除に向け、大熊、双葉、浪江、富岡の4町に設定された特定帰還居住区域の除染や家屋解体の本格化に伴い事業費を押し上げた。
住宅再建・復興まちづくり分野は675億円で前年度当初比145億円(27・4%)増となった。道路などのインフラ整備に活用する社会資本整備総合交付金は労務費や資材価格の高騰などの影響を考慮しての増額となった。 福島国際研究教育機構(F―REI、エフレイ)の研究開発や施設整備に向けた事業を含む創造的復興分野は224億円で前年度当初比15億円(6・3%)減だった。