妊娠中の葉酸摂取で出生後の川崎病発症リスクが3割低減―横浜市大などの研究チーム分析
◇乳幼児突然死の原因にも―川崎病とは
川崎病は主に乳幼児に発症する急性熱性疾患。全身の血管に炎症が生じ、後遺症として心臓の筋肉に栄養と酸素を供給する冠動脈に瘤(こぶ)が発生。最悪の場合には心筋梗塞を起こして突然死することがある。日赤中央病院(現・日本赤十字社医療センター)小児科に勤務していた川崎富作氏が1967年に報告した。現時点で原因は明らかになっていない。 エコチル調査は、全国約10万組の親子を対象に、胎児期から小児期における化学物質やその他の環境因子への曝露(ばくろ)が子どもの健康に及ぼす影響を調べる大規模な疫学調査。2010年度に始まり、定期的に健康状態を確認しながら現在も調査が続いている。 国立環境研究所が研究の中心機関である「コアセンター」を務め、国立成育医療研究センターに医学的支援のための「メディカルサポートセンター」を設置。各地で調査を行う、15の大学などを中心とした地域調査拠点「ユニットセンター」が実務を担当している。 今回の研究は、横浜市立大学大学院医学研究科 発生成育小児医療学、福田清香 医師、伊藤秀一 主任教授▽国立成育医療研究センター データサイエンス部門、小林徹 部門長▽京都大学大学院医学研究科 臨床統計学 田中司朗 特定教授――により行われた。
メディカルノート