日本ラグビーのスーパーリーグ参戦は成功するか?
また、理事会後にブリーフィングを開いた矢部達三専務理事は、「ファイナンスの面で不確定なところもある」と話していた。年間5億以上は必要とされる運営資金のめどについては、立っているとは断言できない様子だった。スポンサー企業を探す過程で「参入が決まったら…」といった反応もあったらしい。実は、通常はそれほどの時間を要さない理事会がこの日は2時間近くも終わらなかった。矢部専務理事は、財政面に関する議論が長引いたからだと示唆していた。 「現場が必勝を期す今回の入札へ、理事会はどれくらいの意気込みをお持ちですか」といった旨の問いには、こう応じた。「日本協会はお金がないことでいつも悩んでいる。…安全面をベースに、前向きにやろうということです。できる限りのことはやって、あとは首を洗って待っている」。 近く、SANZARの関係者が日本とシンガポールの両国を視察する見込みだ。今後の「できる限りのこと」は、ラグビー日本代表の未来図を変えうる。 (文責・向風見也/ラグビーライター)