寒ブリ豊漁、七尾に活気 2日で1400本 半数が大物、「煌」サイズも
冬の味覚の主役、寒ブリの豊漁に七尾が沸いている。七尾沖の定置網から、25日に今季最多の約900本、26日にも約500本が水揚げされた。関係者によると、例年に比べ大ぶりの魚が多く、七尾市公設地方卸売市場では、12月に始まる最高級ブランド「煌(きらめき)」の認定に向け、大物の登場に期待する声が上がっている。 市場によると、初水揚げだった8日以降、しけで出漁できない日もあったが、26日までに約20トンが運び込まれ、連日、威勢のいい掛け声の中で卸売業者らが次々と競り落としている。 重さ10キロ以上の大物が半数を占めており、煌の認定基準(14キロ以上)を上回る17・8キロというビッグサイズも競りに掛けられた。 市場は能登半島地震で駐車場が一部陥没するなどの被害が出た。営業を再開したのは震災1カ月後の2月1日だった。 ●猛暑で異変 今年の定置網漁は猛暑の影響からか、海水温が上昇し、11月に入ってもシイラ、ヒラマサといった夏が旬の魚が目立つ一方、タコの漁獲量が例年の3分の1にとどまるなど「異変」もみられるという。 一方で、ブリ漁に関しては、漁師から「今年は期待できそう」との声が上がる。煌は能登の定置網で取れる「天然能登寒ぶり」のうち▽12月、1月に水揚げ▽重さ14キロ以上▽傷がなく胴回りが十分ある-など石川県漁協の基準を満たした魚体が認定される。市場の担当者は「煌の認定前に順調に大物が出てきている。市場もさらに活気づくだろう」と話した。