両足とも爪がはがれて…「足の爪」間違った切り方がトラブルを招く
足の爪は、間違った切り方が足のトラブルにつながることもある。素足になることが増える季節を前に専門家に話を聞いた。 ◇ ◇ ◇ 「足の爪の理想的な形は、スクエアオフという形です」 こう言うのは、一般社団法人「東京フットケア協会」の代表理事で、足のトータルケアサロン「フットアドバンス」代表の山本孝志さん。 スクエアオフの具体的な形は下の〈イラスト〉を参照にしてほしい。山本さんによれば、極端に短すぎる爪や、爪の両サイドの角の部分がなくなるまで切ってしまうやり方では、巻き爪を起こしやすくなる。 「足の爪も、手の爪と同様にフリーエッジという白い部分がある。このフリーエッジをある程度残すようにしてください」 一方、足の爪の伸ばしすぎも良くない。 「『足の爪が短すぎると巻き爪になる』という考えからか、最近、長すぎてトラブルを起こす方も珍しくありません」 実は、本紙健康ページ担当者も「伸ばしすぎ」で足の第1指(親指)の爪が左右両方とも外れてしまった。ネイルをしていたため、ネイルサロンで足の爪を切るのは1カ月~1カ月半に1度。その状態でジョギングやジムでのトレーニングをしていたら、本来は下の皮膚と付着しているはずの爪が先端からはがれ、浮き始めてしまったのだ。 「これを爪甲剥離症といいます。爪甲剥離症の原因はいろいろありますが、靴や運動時の衝撃で爪が圧迫を受けることも大きな一因。はがれた部分の爪甲は、濁った白や黄色に見えます。ネイルをしている場合、爪の元の色がわかりませんから、気づきにくい」 浮き上がってしまった爪は本来の機能を果たせていない。浮いた爪と皮膚の間にゴミやホコリが入ってしまう。爪甲剥離症の本欄担当者の場合、山本さんに浮き上がった爪を取り除いてもらい、定期的に処置を受けているが、爪がない部分の肉が盛り上がってくる可能性も……。しかも、巻き爪も爪甲剥離症も、当事者にはQOLにかなりの影響があるが、国によって「予防的ケア」と定義されているため、保険適用外となることが多い。 「いろんな意味でとにかく大変。そうならないよう、読者のみなさんには正しいケアをしてほしい」とは担当者の弁。 「足の爪がしっかりしていないと、歩く時や走る時にしっかりと踏み込めず、転倒リスクを高めます。特に高齢者では寝たきりを招きかねない」