松阪牛など処理数は増加 三重県松阪食肉公社 昨年度決算 燃料など高騰で9期連続赤字
三重県松阪市大津町の県松阪食肉公社(社長=竹上真人松阪市長)はこのほど、2023(令和5)年度の事業報告を公表した。決算はマイナス648万130円で9期連続の赤字となった。牛と豚の処理数は増加したが、電気代や燃料代の高騰が続き大きな負担となった。 同公社によると23年度の処理頭数は松阪牛を含む牛が6291頭(前年度比48頭増、0.8ポイント増)、豚が7万5320匹(同2590匹増、3.6ポイント増)。牛の状況では、松阪牛以外の牛が794頭で前年度より108頭減少する中で、松阪牛の出荷頭数が5497頭と前年より156頭増えたものの計画頭数の6300頭は達成できなかった。 松阪牛の全体のと畜頭数は9109頭(前年比98頭増、1.1ポイント増)。場所別の内訳は▶松阪=5497頭(156頭増、3.0ポイント増)▶東京芝浦=3530頭(115頭減、3.2ポイント減)▶輸出用=80頭(55頭増、233ポイント増)▶その他=2頭──。 豚の増加は、前年度に豚熱の影響で出荷が停止した2件の生産者のうち、1件が生産を再開したため。もう1件は本年度から出荷できる見込みという。 23年度は、営業収益が3億7780万3781円(同3.2ポイント増)で、人件費をはじめ約5300万円の電気代や、2200万円を超える重油代などの営業費用が4億7952万4956円(1.0ポイント減)となり、1億172万1175円の損失。家賃収入や補助金などの営業外収益9557万2289円を加えた経常損失は617万7125円で、法人税や住民税などを控除した後の当期純損失は648万130円となった。 昨年度の施設維持管理対策は、主に小動物自動背割り機交換、小動物スキンナー(皮むき機)オーバーホール、焼却炉修理、井戸ポンプオーバーホール、冷凍機などの修理だった。