「入りたくない」と孫が玄関で泣き叫び… 松原タニシが聞いた新潟県の“とある地域”にある「必ず死ぬ家」
怪談界きってのストーリーテラーであり、著者累計の売上は40万部を突破した松原タニシ氏。この夏上梓した『恐い怪談』(二見書房)は、タニシ氏が取材を重ねた実話怪談から選りすぐりの100本を構成して書き下ろしたもの。 【画像】写真を見る! お盆だもの、タニシさんの珠玉の怪談で涼しくなってみませんか? 5日目は、タニシさんが本多さんという方から聞いたというお話、「必ず死ぬ家」をどうぞ。
必ず死ぬ家
本多さんが教えてくれた物件は、いままで僕が聞いた話のなかで最も住人が連続で亡くなっている。 それは本多さんの地元である新潟県のとある地域にある平屋の一軒家だ。 まずはじめは30代くらいの夫婦と保育園児の娘が住んでいた。しかし、通学途中に娘がバスに轢かれて亡くなってしまう。その事故により気を病んでしまった妻がノイローゼになり、離婚して家を出ていってしまう。残された夫はその後もひとりで住み続けるが、しばらくして浴槽で亡くなっているところを発見される。死因は不明だ。 次に住んだのは30代後半の男性。彼は関東から新潟へ引っ越してきた。交際していた女性と一緒にいるところを近所の住人はよく見かけたが、ある時期からぱったりと女性が来なくなる。その後しばらくして浴槽で、男性が心肺停止の状態で見つかる。 その次に住んだのは60代くらいの男性。彼も関東から引っ越してきた。近所づき合いもよかったが突然見かけなくなり、こたつで亡くなっているのが見つかる。
夜、目が覚めると足元に女の子が立っている
最後に住んだのは50代くらいの男性。新潟県内のどこかから引っ越してきた。彼も近所づき合いがあったが、「最近眠れない」とよくこぼしていたらしい。 「夜、目が覚めると足元に女の子が立っている」 そんな話をしたあとに具合を悪くして入院し、数週間後に亡くなっている。 その後、物件内覧のために祖母とその孫らしき子供が来たが、玄関前で孫が「中に入りたくない」と泣き叫んだ。それが原因かはわからないが、結局、住むことはなかった。 僕が物件を見にいったときは入居者募集中であったが、2023年の秋にはもう募集の看板は取り外され、内装工事が始まっていた。 松原タニシ氏が厳選した怪談を100話収録した『恐い怪談』から抜粋。 松原タニシ(まつばら・たにし) 1982年、兵庫県出身。松竹芸能所属のお笑い芸人。事故物件に住み続ける"事故物件住みます芸人"として知られる。YouTube「松原タニシch」、「松原タニシのぞわぞわチャンネル」を運営。ラジオレギュラー番組に「松原タニシの生きる」(ラジオ関西)、「松原タニシの恐味津々」(MBSラジオ)などがある。『事故物件怪談 恐い間取り』(二見書房)がベストセラーとなり、著者累計40万部を誇る。 X:@tanishisuki
松原タニシ